第5節「一人暮らしの食生活」
新居に引っ越して5日目、遂にNHKの職員がやってきた。思ったより早いなと思った。幸い私はNHKをみるのが好きなので、滞ることなく粛々と契約を済ませた。「立派なお家ですね!」と感心していたが、ある種の営業トークみたいなものと思っておこう。
さて一人暮らしとなればとても重要な位置を占めるものがある。
それは何か。それは食事である。食費であり食生活でもある。
生活費のなかで特に大事にするべきものだが、これほど切り詰めやすくて節制できるものはない。しかしここに誘惑があるのだ。
人生山あり谷ありであれば転職もありえる。一時的に無職になる事だってある。仕事によっては歩合制でとんでもなく収入が少なくなることもあるだろう。
私はときどき近所の集会に集って特に同世代の友人と話をするのだが、一人暮らしの先輩から「一人暮らしをするようになって免疫力が落ちたよ。風邪をひきやすくなったよ」と教わった。
私は「へぇ~そうなのか」と頷きながらもその理由を探った。そしてひとつの結論に辿りついた。その体調を壊す原因は栄養の偏りによる説だ。
一人暮らしの先輩たちは遊び過ぎで経済難に陥ったとき、超低価格なる蕎麦飯なるものを毎日食していたそうだ。なんと毎日である。何度でも繰り返して熱く語られていたが、毎日である。
それなら確かに体調を崩したっておかしくもない。
ただでさえ30代なんかになってくると、微妙に体力の衰えを感じてくるのだ。若い諸君は考えられないかもしれない。しかしこれは本当の事。いずれ君たちの大半層が実感することになるだろう。
思い立った私は食生活に関して母に相談してみた。するとレタスがとても栄養を含む野菜だと言い、それにドレッシングをかけつつ召し上がる食事法を薦めた。レタスひとつで約1週間ぶんのサイドメニューを担えるそうだ。
なるほどその発想はなかった。
しかし、それだけで腹が満たされるなんてとても思えない(笑)しかもちょっと面倒くさい(笑)
でもこれも1つの発想だ。役にたたないワケではない。
他にも色々工夫はできそうである。
ともあれ本節で主張したいのは、やはり一人暮らしをするからこそ「栄養」のコントロールこそが大事だと言う事。仕事も遊びも健康だからこそ出来るのだ。
私のお家のキッチンはさほど大きくなく(むしろ狭くて)、正直料理をするっていうイメージがなかなか湧かない。しかし外食やコンビニ弁当なんていう品物はボンビーボーイな私にはあまり手のだせないものだ。
課題があれば不安もある。しかし私はこの荒波を楽しく乗りこなしたい。
家族や友人などより私が一人暮らしをはじめるにあたって、よく言われたことがある。一人暮らしをはじめる前はどう受けとめていいのかわからなかった言葉。
「楽しんで」
その意味がちょっとわかってきた5日目だったかもしれない。ではまた明日。