2話、散歩とバツ
〜2話、散歩とバツ〜
僕は自室の椅子に座って、以前にマルくんが持って来てくれたプリントに書いてある必要な物を一つずつ確認しながら自分の鞄に詰めていた。
粗方詰め終えたその時、窓の外から僕を呼ぶ聞き覚えのある声が飛んできた。
「おーい、クロスー!」
その声に惹かれるように席を立ち、窓際へ寄り窓を開けて少し乗り出し応える。
「マルくん!おはよー!」
もちろんその声の主はマルくんだった。
僕はそのまま窓から引っ込み、階段を降りて彼の元へと向かった。そして靴を履き玄関のドアを開いて、
「おはよう、マルくん…?」
挨拶。
「うん、具合はどう?」
「おかげさまで、元気だよ」
微笑んで返事を返す。
「明日は、久しぶりに一緒に学校に行けるね?」
「うん、すっごく楽しみだよ」
「もしクロスが良ければ、今から少しだけ散歩しない?」
「構わないよ、でも先に荷物だけ詰めなきゃ…」
「急がなくて良いからね」
このままマルくんを玄関で待たせるのは悪いと思って、自分の部屋へと上げた。
「クロスの部屋はいつも久しぶりだけど、やっぱりいつ来てもあんまり変わってないね」
「まぁそんなに変える事も理由も無いからね、それにずっと同じ方が帰ってきてからも落ち着くし…」
僕は再び座って鞄へと物を詰めながら、側のベッドに腰掛けて部屋を見回すマルくんに返事を返す。
「確かに、同じ方が安心感はあるかもね?」
クスッと笑って返される。
「さぁ、これで入れる物は全部かな…?」
「ん、準備終わった?」
「うん、多分…もう一回確認するね?」
「僕は構わないから、ゆっくりで良いからね」
「ありがとう」
鞄の中とプリントを交互に見て、念入りに確認をする。
うん、これで全部…のはずだ、多分間違いない。
「お待たせ、マルくん」
「よし、じゃあ行こうか?」
「うんっ」
そう言うと二人揃って同じタイミングで立ち上がる。
その瞬間、少しおかしくなって一緒にクスクスと笑い出す。
「さ…行こう?」
僕に向けて手を差し伸べるマルくん。
「うん、行こっか?」
その手に自分の手を重ねて、外へ向けて共に歩き出す。
「どこに行く?」
尋ねる君。
「公園が良いかな」
応える僕。
「それじゃ、学校の近くの公園にしよう」
勧める君。
「良いね、そうしよう」
応じる僕。
これからもマルくんとずっと一緒に、楽しく過ごして居たいな。
もしこんな風に、それができるのなら、どれだけ良いんだろう。
二人で一緒に、ずっと笑顔で。