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リィズ短編集  作者: リィズ・ブランディシュカ
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03 幸せにしたかった

幸せにしたかったけど間違えてしまった僕の話。



 僕は完璧な人生を歩いてきたつもりだった。


 なのに、なぜ。

 みんなそんな顔をしているのだろう。


 僕は自分で言うのもなんだけど、良い所のお坊ちゃんだ。


 先輩には、お似合いの婚約者を紹介してあげたのに。

 幼なじみには、無謀な夢は諦めろって諭して、堅実な道を歩かせてあげたのに。

 友人には、人気者になれるように、ガラの悪い人間達がクラスメイトに声をかけてそれを助けるヒーロー、なんてシナリオをプレゼントしてあげたのに。


 皆どうして、そんな顔をして、僕を見ているんだろう。


「私は君が好きだったんだよ。どんな素晴らしい地位を持った婚約者よりも、君の方が良かった」

「たとえ挫折してしまうものだとしても、応援して欲しかったな。現実だけを見て過ごすのは窮屈だった」

「俺はそんな風にして、皆を騙したかったわけじゃない。そのままの自分を、普通の努力をして認めてもらいたかった」


 先輩は、猟奇趣味があった婚約者に殺されてしまった。

 幼なじみは、急成長中の大手のブラック会社に使い潰された。

 友人は、多くの人たちのリーダとなった事で、不祥事の矢面に立たされて解雇された。


 何がいけなかったのだろう。


 お金があれば人は幸せになれるはずなのに。

 安定した会社に入れば、将来の心配はしなくてすむはずなのに。

 人気者になれば、困った時でも多くの人が手を貸してくれるはずなのに。


 昔の僕には幸せになった、皆の姿しか見えなかったと言うのに。


 何を間違えたんだろう。




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