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リィズ短編集  作者: リィズ・ブランディシュカ
1/4

01 生贄そだて

生贄が必要な村の秘密。

原文そのまま。




 百年に一度、私の住んでいる村では生贄を選ぶ決まりがあります。

 生贄は、村の守る為の人間であり、村に幸福をもたらす存在でもあります。


 だから、ひどい扱いはしません。

 生贄になった人は、なった時から、美味しいご飯をたべさせられて、綺麗な服を着せられて、生贄の塔へと向かわされます。


 不当に扱われる事もありませんし、意地悪される事もありません。

 むしろ皆から、祝福されて、期待されます。


 十数年も、前から。


 そうです。

 そんな生活は、生まれた時から、ずっと続くのです。

 成人するまで続くのです。


 常に周りからちやほやされて育つので、生贄は与えられる事が当然の事だと思いあがるような、傲慢な人間になります。


 だから、周りの人間は、その人を遠慮なく生贄にすることができるのです。

 子供でもないので、ためらわなくても良いのです。


 この方法を考えた人は天才です。


 だってこの方法なら、これまでのように生贄を選ぶ時に罪悪感を味わう事がないのですから。


 同じ村で育った仲間でも、同じ思い出を共有している人間でも、誰からも嫌われる人間に育ったんですから、むじろ喜んで「シネ」と言えますね。


 見送りられた後、彼は「どうして」とか「ありえない」とか「人間の考える事じゃない」とか言っていましたけど、私達は精一杯人間として優しかったですよ。


 優しくて優しくて、優しかったから、優しい仲間を見捨てる事ができずに、一度は村が滅びかけたんですから。


 でも、もう大丈夫です。


 十分な成果がでました。

 これからも、この方法を行っていこうと思います。



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