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若さを失ってゆく私へ

作者: 大遠

 若さを失ってゆく私よ、どうか親の世代のような人間にはなってくれるな。


 若者を『ゆとり世代』などと呼び、自らの世代の価値観でしか物事を計れないような人にはなってくれるな。

 時代が変われば社会が変わり、社会が変われば人の価値観だって変わる。



 若さを失っていく私よ、どうかよく知りもしないものを批判するような人間にはなってくれるな。


 見たこともないくせにアニメを否定し、毎日毎日刑事ドラマしか見ないような人にはなってくれるな。

 たとえ今のお前には分からずとも、それが流行っていることにはきっと理由がある。



 若さを失ってゆく私よ、どうか年下に自分の思いでばかりを語る大人になってくれるな。


 間違っても、「私の時代に比べて今の若者は……」なんて言葉は口が裂けても言ってくれるな。

 言われた方の気持ちは、お前が一番良く分かっているはずだろう。



 若さを失ってゆく私よ、どうかお前の持つその恐れを忘れてくれるな。


 新たなものが次々と生まれ、自分は取り残されゆくその恐怖から目をそむけてくれるな。

 さもなくば、お前はお前が最も軽蔑する人間に堕ちてしまうぞ。

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