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異世界に転生して虚弱体質の村人になった俺が、唯一頼ることができるのはカプセルでゲットした魔法少女だけだった。  作者: ぢたま
一章 虚弱体質村人幼児がスライムに出くわして死にかけた後、魔法少女をゲットする話
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一章 虚弱体質村人幼児がスライムに出くわして死にかけた後、魔法少女をゲットする話22 - 遺跡の真実

 一章 虚弱体質村人幼児がスライムに出くわして死にかけた後、魔法少女をゲットする話22 - 遺跡の真実


「マスターの生体認証を完了しました。全てのシステムへのアクセスが可能となりました」


 声が聞こえてくる。

 女性のような声だ。聞き覚えがある。


「質問がある」


 前回は目の前に命の危機が迫っていたから到底できなかったが、いくつか質問をしておくことにする。


「アドミニストレータ権限により、全データへのアクセスが可能です。なんなりとお申し付け下さい」


 運がいいのか悪いのかはわからないが、とりあえずここで死にかけたことで最上位のアクセス権が手に入ったようだ。


「ここ以外に同様のシステムは存在するのか?」


 どう考えても、ここだけにしかこのような遺跡があるとは思えない。もしかすると、ここ以外の遺跡の情報が得られるかも知れないと考えたのだ。


「質問が曖昧です。やり直してください」


 やはりシステムはシステムに過ぎない。

 明確な命令でなくては受け付けてくれないということなのだろう。

 かつて俺は長いことIT関連の社畜として働いていた。

 こういったトラブルには慣れている。

 もっと具体的にいくとしよう。

 少し考えてから俺が行った質問は。


「ここからアクセス可能なシステムと場所を提示してくれ」


 というものだった。

 アクセスが可能なのかどうかはまるで分からなかったが、これだけのシステムが独立して動くとは考えがたい。

 そこがどういったシステムなのか、どこに存在するのか。

 それがわかれば、これから先俺の力になることは間違いない。


「ピンによる応答を複数確認しました。足元のスクリーンにマップを表示します」


 システムによる応答があった時には、すでに足元にはマップが表示されていた。

 マップといってもいわゆるそこらで使われているような地図ではなく、地球儀のように球体を描画したものだった。

 惑星全体を表示しており、その中にいくつもの赤い光点がプロットされている。

 惑星全体規模ということを踏まえてみても、想像以上に大量に遺跡が存在してるようだ。

 だが、さすがに今は惑星全体規模で確認してもどうしようもないので、範囲を限定することにする。


「この場所を中心にして、半径百キロ圏内を表示してくれ」


 俺が指示を出すと、すぐに地球儀の一箇所が拡大されてゆき、シームレスに周囲の地図置き換わった。

 赤い光点は全部で三ヶ所。中心部にある光点はこの場所で、それが一つ。次に海辺に一つ。最後の一つは川沿いである。

 川沿いのその場所は俺が生まれた故郷であるミリハ村の領主であるゴウレランド・デ・アルフルーゼ伯爵が住むマルダラング城が存在する位置であった。

 おそらくだが、マルダラング城のある位置に偶然遺跡が存在しているわけではなく、遺跡のある場所にマルグラング城を建てたのだろう。

 そのことを今の領主が知っているのかどうかは疑問だが、建てられた当初ははっきりと認識していたはずである。

 問題なのは、今も使用されているのかどうかということだ。

 俺としては、その遺跡をすぐにでも使いたいが、そのことを誰にも知られたくはなかった。

 そのことを確認するのは難しくない。

 質問すればいいのだ。


「川沿いにある遺跡が最後に使用されたのは今からどのくらい前かわかるか?」


 さっそく質問してみると。


「当該のアクセスポイントが最後に使用されたのは、今から535年と16日12時間39分前のことになります」


 想像していたよりも、だいぶ古いようだ。

 城が建てられたのはせいぜい百年以内のことなので、その時にはすでに誰も利用しなくなって400百年以上は過ぎていたということになる。

 おそらくではあるが、遺跡というかアクセスポイントの存在は知っていてもそれが何かは誰も知らないのだろう。

 つまり、俺が利用したところで目撃さえしなければ、誰からも気づかれることはないということになる。

 次からは具体的な質問だ。


「アクセスポイント間での移動は可能か?」


 俺が前回行ったのは異世界間での移動だ。

 それを、遠距離間の二点間移動で使えるのかということを確認しようとした。

 これは推測でしかないが、異世界間の移動と二点間移動は同じ原理のテクノロジーで可能となるのではないかと考えた。

 その推測が正しければ、この場所から他のアクセスポイントへの移動が可能となるはずである。

 俺はそれを確認しようとしたのだ。

 答えはすぐにわかる。


「可能なアクセスポイントとそうでないアクセスポイントがあります」


 システムから帰ってきたこの答えには、2つの可能性が考えられる。

 ひとつの可能性は最初からそもそもその機能がなかったアクセスポイントが存在する場合。

 もうひとつの可能性としては、作られた当初はあった機能だが、その後の事情で使えなくなったという場合だ。

 ひとつ目の理由だと、そこでおしまいだが、ふたつ目の場合だと問題を解決することで作動を再開することができる可能性がある。


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