一章 虚弱体質村人幼児がスライムに出くわして死にかけた後、魔法少女をゲットする話18 - 絶対服従する魔法少女
一章 虚弱体質村人幼児がスライムに出くわして死にかけた後、魔法少女をゲットする話18 - 絶対服従する魔法少女
だがそのことで、元の世界に戻った時さらに生き延びることが困難になった。
ひ弱な五歳児であり左足を失なうというハンデを負った俺が、今後も生き延びるためには、このカプセルの力が唯一の拠り所である。
俺に選択肢などなかった。
だが、今はまだ使えない。
もちろん、アップデートの効果が確認できないからである。
カプセル内のミコには変化は見られない。
だが、カプセルから出して魔法少女となったミコにも変化はないのか?
それは考える必要などない。
やってみれば済むことだ。
何もない場所を狙い、再びカプセルを投げてみる。
今度は俺が意識した場所でカプセルが消え、そこにミコが姿を現す。
ここまでは、さっきとまったく同じだ。
問題はこの後である。
前回ミコは直立したまままったく動こうとはしなかった。
今度は……。
若干の間を置いたあと、直立していたミコは動きを見せる。
俺に気づいて顔を向けるととても愛らしい笑みを浮かべた。
そして、俺に近づき手を取ると話しかけてくる。
「アップデートが完了しました。これであたしは、ご主人さまの欲望のために尽くす魔法少女として生まれ変わりました。どのようなご命令でもお申し付けください」
そう言いながら、ミコは俺の手を取って甲にキスをする。
ただし、そのキスのやりかたは単なる儀礼的なもとは違っていた。
口を開き気味にして、舌先をねっとりとした感じで這わせてくる。
しかも、時間が長い。その間、ずっと視線は俺の目を見つめたままだった。
なんか、俺が考えていたのとは違っている。
見た目は魔法少女のままだ。それはまったく変わっていない。
可愛らしい感じもそのままだ。
だが、受ける印象はまるっきり違った。
行動によるものだけではなく、その表情も。
男を誘うためのフェロモンが、全身から容赦なく放出されている。
まさに、そんな感じだった。
エロい。
ひたすらに、エロい。
もし俺が五歳児でなければ、足の一本くらい失っていようと、反射的に飛びかかっていたことだろう。
といいたい所だが、俺は無意識のうちにミコに抱きついてしまっていた。
五歳児であっても、あまり関係なかったということだ。
「あらあら、ご主人さまったら。そんなに焦らずとも、お望みならお申し付けいただければ、どんなご奉仕でもいたしますのに」
抱きついてきた俺を、逆に抱き返しながらミコはフェロモンたっぷりの声で話しかけてくる。
それを聞いて、俺はあわててミコから離れようとする。
だが、ミコは開放してくれず、俺のことを抱きしめたままであった。
「と、とりあえず、放せ」
俺が命令すると、ミコは余裕たっぷりの表情で俺を開放した。
だが、それですぐに俺は元にもどったわけではない。
鼓動が早い。
それに、色んな場所が固くなっている。
五歳児とは言っても中身は立派なおっさんだ。言うなれば、普通のエロおやじである。
生理的な反応はきっちり起こるのだ。
そうは言っても、所詮五歳児は五歳児なので、実戦で役に立つことはない。
もっとも俺はエロおやじではあったが、海千山千とは程遠い。実戦経験は数えるほどしかない。
もちろんそんなことは、誰に話すつもりもないことだ。
なんにしても、深呼吸をしながらなんとか脈拍を元に戻すと、ようやく落ち着いて話ができるようになった。
離れてもエロい視線を送ってくるミコに向かって、質問を投げかけてみる。
「カプセルの中にいた時のことを覚えているか?」
ミコがカプセルの中にいた時と同様の質問だ。
もちろん、中と外での違いを探るためである。
「もちろんです、ご主人さま。なんなりとお尋ねください」
ミコは俺に話しかけられているだけで嬉しくなるらしく、とても厭らしくとてもねっとりとした視線を俺に向かって送りながら答えてくる。
かなり内心クラクラしたが、とりあえず今欲望の方は後回しだ。
「カプセル内と外での違いを教えてくれ」
中にミコがいた時質問をして反応は見た。
その限りでは、俺に対して怒りを見せていたような気がする。
それを確認したいのだが。
「中での私は、結局自由にして貰えなかったことへの不満を感じていました。そのことで、ご主人さまへの怒りを抱いています。とても愚かしい女になっておりました」
やはり、記憶の断絶はおきていないようだ。
書き換えられたのは思考と感情で、記憶に関しては一切影響を受けていないようである。
「もし、今中の自分……本来の自分に戻ることが出来ると言ったらどう思う?」
答えは想像がついたが、それでも俺はあえて質問してみる。
この質問に関しては特に必要だったわけではなく、ちょっとした個人的趣味による質問である。