第8話 冒険者ギルド
遅くなってすいません。旧盆があって余り書けませんでした。
ユウとソリューは夕暮れの宿屋を出て大通りを手を繋いで冒険者ギルドに向かって歩いてる。周りから見ると仲がいいお兄ちゃんと妹にしか見えない。実際は、他人である。だか、ソリューが人懐こいお陰でこのように見えるのだろう。さらに、ユウは、小さい子の面倒を見るのが嫌いではない。何故なら、元の世界では、この子と同じぐらの妹がいる。8歳離れているが仲がよかったので今、どうしてるのかと思ってしまうと悲しくなってきた。あの忌々しい神様が、居なかったらこんなことにならなかったのにと思ってしまうユウだった。しかし、クヨクヨしても何も変わらない。ここは、生きるために歩き出さなければならないと思って深い溜め息を吐く。
「ねぇ。お兄さんの名前は?」
「ユウだ。よろしくね。」
「うん。ユウさんもよろしくね。お母さんが私の名前呼んでたけど、一応、教えるね。私の名前は、ソリューです。」
ソリューは、ペコリとお辞儀をする。クッソ!! ソリユーちゃん可愛いすぎるぞ。抱き着きたくなって来た。だが、それをやってしまったら色々とヤバイ人になってしまうので我慢する。それにしても本当に素直で礼儀正しいな。女将さんの教育がちゃんと行き届いてるのだろうな。どんな教育をしたらこんないい子に育つのか教えてもらいたいぐらいだよ。
「ユウさんは、冒険者になるの?そんなに強そうなじゃないけど大丈夫なの?」
「大丈夫だ。こう見えても強いぞ。」
ユウは、この世界で無敵に近い存分と思う。何故なら、神様が能力制限のスキルを与えるぐらいだから自信がある。
しかし、
「ふーーん。そう…なんだ。」
ソリューは、自信てない顔をしている。俺は、ソリューに問いかけてみる。
「ソリュー、信じてないだろう。」
「うん。」
「……………」
「お兄さん、どうしたの?」
「イヤ、何でもない。」
そんなに、ストレートに言われたらお兄さん悲しいぞ。ソリュー。素直なのはいいけど少し濁す事を覚えようね。しかし、やっぱり、そう見えるのか。少し凹んでしまうな。だけど、逆の立場だったら俺も同じ事を思うけどな。くそー。身長をどうにかして伸ばしたいぜ。まだ、伸びる時期ではあるが両親とも160cmぐらいだから俺と変わらない。まったく、身長が伸びる希望が持てない。等と自分のコンプレックスを考えていると。
「お兄さん、冒険者ギルドに着いたよ。」
ソリューが指差す方向を見るとレンガで作られた三階建ての建物がある。建物の真ん中に看板があり、冒険者ギルドと書かれている。ギルドの周りには、冒険者らしき人達がいない。どうやら、冒険者ギルドに着く間に夕方から夜になったのでピークの時間帯は過ぎていたらしい。
「ここが冒険者ギルドか!!」
少し冒険者ギルドを眺めていると
「ねぇ。お兄さん、早く入って登録して来ようよ。」
と言いながら俺の服の袖を引っ張る。
「ごめんごめん。入ろうか。」
「うん。」
ソリューに手を引かれながらギルドに入って行く。ギルドのドアを開けると、外と違って人が大勢いて騒がしい。仕事が終わってギルドの中に併設されている酒場で飲んでいる様子だ。ソリューと俺は受付嬢らしき若いお姉さんのところに歩いて行く。
「こんばんは、可愛いお嬢ちゃんとお兄ちゃんは冒険者ギルドに何かご用意があるの?」
完全に、子供扱いかよ。仕方ないさ。俺が身長が小さくて少し童顔で小さい子供と一緒にいるから間違えるよな。この世界では、16歳になると成人として扱いになるらしい。一応、俺は18歳ですけどね。要は、16歳以下に見えるということなのか?クソ、哀しすぎるぞ。悪あがきに少し大人の雰囲気を出してやる。
「ああ。冒険者の登録に来た。」
少し渋い声を出して大人の雰囲気を出す。ww
「え!! 冒険者の登録ですか?」
子供として見ていたのなら驚くよな。
「そうです。冒険者の登録です。一応、こう見えても私は、18歳ですよ。この子は、宿屋の子供でここまで案内をしてくれたんだ。」
「あっ。申し訳ありませんでした!! 登録の手続きはこちらの資料です。」
受付嬢の若いお姉さんは、慌てて資料を出す。手続きの説明を聞こうとした時に酒場の方から三人組の冒険者から罵声が飛んで来た。
「おいおい。ガキが受付のお姉さんに迷惑欠けるじゃないぞ。お前みたいなチビのガキは、お家でお母さんの隣でオネンネして来な。ギャハハー」
「そうだ。そうだ。ガキが来るところじゃないぞ。ギャハハー」
ムッとした顔になりそうだったがここは我慢しよう。こんなヤツに向きなるのは色々とよくない。ここは大人の対応をしよう。
それは、無視すること!!
「すいません。説明をお願いしてます。」
「こちらこそ色々申し訳ごさいません。」
受付嬢のお姉さんが謝ってから説明をしようとすると
「おい。チビ!! 無視してんじゃねえよ。先輩にそんな態度とるとかいい度胸だな。喧嘩売ってるのか!! 」
「まずは、無視してごめんなさいしろや。」
「ガキだから怖くてチビりそうなのか?」
面倒臭いな!! 謝るならそっちだろうが。もう、コイツらウザイな。だかここで喧嘩を買ったコイツらと同等になる。だから、買う価値はなし。なのでさらに無視をする。
しかし、ソリューが油を注いでしまう。
「大丈夫だよ。 お兄さんは大人だよ。あの人達の方がガキだよ。」
とにっこと笑いながら言った。イヤ、言ってしまった。俺は、頭を抱えたくなってしまった。これは、絶対に巻き込まれる。まぁ。お陰で爆笑が取れたけどな。周りに居た冒険者達が笑い出してさらには、ギルドの職員が苦笑する始末だ。因みに、受付嬢のお姉さんは腹を抱えて笑っている。お姉さん!! それは、笑い過ぎだろと思ってしまうユウだった。
三人組の冒険者は、顔を真っ赤にしながら立ち上がりこっちに近づいて来た。
「ガキが調子に乗るなよ」
ユウは、ソリューを庇いながらに宿屋に帰る様に促す。
「お兄さん、大丈夫なの?」
「大丈夫だから先に、帰りなさい。」
ソリューは渋々承知してギルドの出入口に走っていった。
「おい。待てガキ!!」
ユウは、冒険者三人組に立ちはだかる。
「おい。ヤル気か?」
流石に不味いと思ったギルドの職員が駆け寄ろうとしたが俺が手で制する。すると、冒険者三人組の大きな斧を持ったリーダーらしき戦士が俺の胸ぐらを掴んで睨み付ける。仕方ない。正論を言うとするか。
「まあまあ。小さな子供が言った事を真に受けたら駄目ですよ。ガキじゃないなんだから。」
見ていた冒険者達からまた、爆笑が起きる。
すると、三人組は、完全にキレたらしい。胸ぐらを掴んでいた三人組の冒険者のリーダーが殴りに掛かって来た。ギルドの職員は、真っ青になった。特に、大笑いしていた受付嬢のお姉さんが。誰もがユウがボコッボコッにされると思っている。しかし、ユウは正論を言う前に、あることをしていた。それは、三人の強さの確認と能力の調整だ。なので鑑定スキルを使ってみる。すると、三人組の戦闘ランクが表示される。
リーダーらしき戦士の戦闘ランク、C+であった。
さらに剣士風のお仲間Aの戦闘ランクが、Cであった
そして、最後に魔法使い風のお仲間Bも戦闘ランクが、Cであった。
残念ながら鑑定スキルは、これぐらいしか表示しない様だ。でも、表示されただけでもラッキーと思うべきだろうな。その前に、鑑定スキルて人にも使えるですね。
ユウは、次に能力制限をクマさんを倒した時の6に設定する。これなら多分、殺られる心配はないだろう。ヤバくなったら上げていけば大丈夫かな。
『よし!!やってやろう!!』と心の中で叫んだ。
リーダーらしい戦士に殴られそうになった時に、身体能力を活かしてヤツの拳を手で受け止める。そして、殴って来た拳を動かない様にする。リーダーらしき戦士は、困惑の表情を浮かべている。まさか、こんなチビのガキに拳が止められるとは思わなかった。況してや、止められた拳がピックリとも動かない。こんな小さい体に、不釣り合いの力である。
「このクソガキ!! 放しやがれ!! 」
「だったらそっちも放して下さいよ。そして、こんな馬鹿馬鹿しことを終わりにしましょう。」
と言い放ちユウは、リーダーらしい戦士に睨み付ける。しかし、リーダーは、胸ぐらを掴んでいた手を放して殴りに来た。
「調子に乗るんじゃないぞ!! このクソガキが。」
ユウは、好かさず、掴んでいた手を放して体を反らしてラクラク回避する。お陰で、リーダーらしい戦士はバランスを崩して前につんのる。そして、怒りに満ちた表情で、また、殴りに掛かる。しかし、ユウは、手を後ろで組ながら、ラクラクと全てのパンチを回避して行く。
「もう、力の差がわかったでしょ。終わりにしましょう」
と言いながら回避を続ける。
「何が力の差だ!! 避けてばっかりだろうが 」
まだ、リーダーらしい戦士は、力の差があることを理解していかない様だ。頭に来てるというのもあるが、単純に頭が悪いらしい。
周りので見ていたほとんどの冒険者達は、コイツが勝てないのを確信していた。
「おい。コイツを半殺しにぞ。手伝え!!」
すると、大きな斧を背中から取り出してお仲間に合図を出す。お仲間のAとBとリーダーが、剣、ナイフ、斧を持って一斉に襲って来た。周りからどよめきが走る。
「武器を出すなら、覚悟しろよ 」
「調子に乗るなー!! 」
ユウは、剣を避け、ナイフを避け、そして斧も軽々避ける。そして、避け際にさりげなく、顎にパンチを軽く擦るかのように手加減して打ち込む。
「こんなショボイパンチ効か…………ない?」
バタン、バタン、バタンと倒れ込む冒険者三人組。リーダー以外は、ノックアウトしている。軽くパンチしたつもりだが、予想外にパンチが強かったのだろう。完全に気絶している。
「ガキ……、俺たちに………何を……した 」
リーダーは、必死に体を動かそうとしながらに言って来た。
「パンチを入れただけだが 」
軽くでも顎を殴られることによって脳が揺れるそのせいで、脳震盪を引き起こす。どんなに強靭なヤツでもここは、鍛え上げことは出来ない急所である。どうやら、コイツはこの事を知らない様だ。
「クソ……お前みたいな…ガキに……負け…る訳が…」
悔しそうに顔を歪める。どうやら、力の差を感じてしまった様だ。
ユウが、安堵に浸りながら辺りを見渡すと、皆がこっちを見て静まり返っている。ユウは、動揺して受付嬢のお姉さんの所を振り向いてに声を掛ける。
「すまない。さっきの説明を頼むよ 」
「へえ!! ……あっ。分かりました 」
受付嬢のお姉さんは自分に話し掛けるとは思ってなかったのだろう。明らかに驚きの顔と動揺してる顔をしている。
「えっと。こちらに、なっ 名前と、ねっ 年齢と出身地、せっ 戦闘スタイルを記入して下さい。あっ。だっ 代筆しますか?」
受付嬢のお姉さんはさっきの事は、なかった様な感じで登録の処理をしょうとするがカミまくりである。
「多分、大丈夫 」
普通に書こうとしたらこっちの世界の文字に変換されている。どうやら、スキルの言語の神のお陰であろう。すらすらと書いて受付嬢のお姉さんに渡す。
「 えっ えっと。 なっ お名前は、ゆっ ユウさんですね。せっ 戦闘スタイルは もっもっ モンクで間違いないですか? 」
『 いくら難でも、受付嬢のお姉さんカミ過ぎだろう』とユウは、心のなかで思ってしまうぐらいカミまくりである。
ユウは、何故、モンクにしたのかというとさっきの闘いの流れで書いてしまったのもあるが。元の世界の幼馴染みに無理矢理、色々な武術を本格的に習わされた事があるからである。その幼馴染みは、色々な裏の武術大会で優勝しているし喧嘩も敵なしの化け物で言わいる戦闘狂である。習わした理由が、余りにも強すぎて喧嘩を売るヤツが居なくなり、相手が欲しくて、俺を強くしてサンドバッグにするためである。ユウは、今でも修行の事をを思い出すと恐怖が走るぐらいの過酷な物だった。お陰で、幼馴染みに互角とはいかないが達人クラスの腕前を身につける事が出来たがそのせいで、いつも、練習台にされてボコッボコッにされるのである。因みに、幼馴染みは可愛い顔をしている女子であるが、闘ってある最中は、鬼神の様な顔をしている。
「あぁ。間違いないよ 」
「わっわっ 分かりました。さっ 最後に、魔力を計って終了です。よいしょ!! でっでは、こちらの水晶玉に手を置いて下さい 」
受付嬢のお姉さんは、水晶玉をカウンターの前に置いてユウに手を置くような促す。ユウは、素直に水晶玉に手を置いてみる。すると、水晶玉が虹色にとっても強く輝き出す。その輝きは、ギルドのホールをいっぱいに輝いている。ユウは、綺麗だなと見とれていると周りでは、ギルドの職員と冒険者達が驚きの余り、口を開けて固まっている。
「じぇじぇ 全魔法属性が使えて、ここ この魔力の量は異常ですよ!! あっ、あっ、貴方は、何者ですか!? 」
へぇー!! 俺、全部の魔法が使えるだ。魔力も異常なんだ。さすが、神のスキル!!
「何者て言われてもね。迷子の田舎者だとしか言えないなぁ 」
言っている意味がわからないのか、受付嬢のお姉さんの目が点になっている。
「それより、登録は、終わり?早く帰りたいだけど 」
「はっ、はい。終わりですが、ギッ、ギルドガードが明日に出来ますので、あっ、明日、取りに来てる下さい。あっ、あと、登録代が銀貨5枚お願いします 」
受付嬢のお姉さんがかなり動揺している。普段は、こんなに動揺することはないのだが今回は違った様だ。
ユウは、マックスから貰った袋から銀貨を5枚取り出して渡す。
「はい。銀貨5枚 」
「あっ、ありがとうございます。こっ、こっちらが控えです 」
受付嬢のお姉さんがギルドの紋章らしき印が入った紙を手渡す。ユウはそれに受け取り受付嬢のお姉さんに
「じゃあ。失礼しまった 」
と言って周りの冒険者やらギルドの職員、あと、脳震盪から復活した三人組の冒険者にガン見されながらギルドを出ていく。ユウが出ていったあとは、さっきの出来事の話題で騒がしくなっていた。そんなギルドの奥でさっきの出来事を見ていた。一人の女性がいた。
「面白いのが入って来たね。これから楽しみだわ 」
と壁に持たれながら笑みを浮かべている。
ギルドを出たユウは、露店で串焼きを買って食べながら夕暮れの宿屋を目指していた。
「おーい。大丈夫かい」
宿屋の女将さんが走りながらこっちに向かって来た。
「女将さん、大丈夫ですよ」
女将さんは心配そうに俺の顔を眺め回す。
「ソリューが、泣きながら帰って来て理由を聞いた時は、心臓が止まるかと思ってよ。急いで来たけど大丈夫そうだね。」
無事な俺を見て女将さんは安心して安堵している。
「ご心配を掛けましてすいません。」
「大丈夫だよ。こっちそ、ソリューを庇ってくれてすまないね。ありがとう。」
女将さんとユウは、夕暮れの宿屋に向かって歩き出す。
かめーかめー攻撃《沖縄の方言で、食べて食べて攻撃》を食らって太りそうです。