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第6話 マックス

今週、忙しかった。 なんとか間に合ってよかった。

  そういえば、クマさんに襲われてた人は大丈夫かな。とりあえず声を掛けてみよう。


「大丈夫ですか?」


「あぁ!! 大丈夫だよ!! これぐらい問題ないよ。しかし、バーサークベアーを素手で、しかも一撃で殺すとかかなりの腕前だね。君は、ハイランクの冒険者なの?」


見た感じは、軽いかすり傷ぐらいなので彼が言っているように問題ないだろう。異世界に来て初めて会った人間が死んでしまうのは、出だし的に嫌だったのでよかったと安心してしまう。


「 そういえば、自己紹介と礼を言うのを忘れてたね。 俺の名前は、マックス。しがない商人さ。 助けてくれてありがとうね。」


名前は、マックスて言うのか。覚えやすくて助かるな。しかし、名字を言ってなかったな。もしかしたら、氏がないのか、身分が高い人にしかないのかも知れない。無難に下の名前だけを教えた方がいいな。さあ。こっちも自己紹介をしますか。



「 俺の名前は、 ユウ だ。 冒険者ではない。ただの一般人だ。田舎で育ったから常識や知識に疎くてな。それに色々あってただいま迷子になってる。出来れば色々なことを教えてくれたら助かるだが。」


異世界に来てまだ1時間ぐらいなので少しの情報しかない。さっき彼が言っていた。冒険者という職業があると言うことだけだ。出来れば、この世界のことや生活基準を知っておきたい。この世界で仕事するにしても生きて行くにしろ。何事も常識や知識の情報が重要である。常識や知識がわからないのでは、お金も稼げないし騙される可能性もあるから情報収集は大事である。



「 迷子なの!! 」


マックスは驚きの顔をを見せている。


「 君は、こんなところで迷子になってよく生きて来れたね。ここは、ハイド帝国の死の森の近く街道だよ。危険な魔物がうじゃうじゃいる地域でこんなところを通る一般人は普通はいないね。僕も仕事じゃなきゃ通りたくないところだよ。因みにC+ランクの魔獣やドラゴンもを出るから君がいくら強くても一人では危険だよ。」



ここはドラゴンも出る危険地域なのね。流石にドラゴンとは戦いたくないな。まず、ドラゴンの鱗は素手で殴るのは痛そうだしな。責めて拳を守る物を着けてからやり合いたいな。

だけど、こいつは何故に危険地域を一人で歩いてるんだろう。訳ありそうだから聞いてみるか。


「マックスは、何でこんな危険地域を一人で歩いてるだ。何かあったのか?」



「ああ。一緒に街まで目指してたキャラバンの連中と護衛の冒険者どもに囮にされて置き去りを食らっちまってね。全く死ぬかと思ったよ。」


マックスは、 いつの間にかクマさんの解体をして、心臓から石の様な物を取り出している最中だった。石を取り終わると今度は、熊の手の解体を始めた。解体中の顔は、今度は大変だったなという顔をしている。やはり大変な目に会ったのだろ。



「それは、難儀だったな。街に着いてそいつを見つけたら賠償金でも訴えたらどうだ?」


「そこら辺は、大丈夫だよ。裏切ったあと道中で別の魔獣に殺られたらしくて馬車の残骸と奴らの死体が転がっていたよ。荷物の方を少し拝借してやったさ。まあ、それでも危険性のことを考えると全然足りないがね。」



それはそれは、御愁傷様ですね。マックスもちゃかりしてるな。マックスを裏切ったのだから当然の行為なんだろがな。それはそうと、マックスはよく囮にされて生き残ったな。やはり、危険地域を通るぐらいだからマックスは強いのだろうな。

どうやら、解体作業が終わった様で、解体した素材を袋に押し込んで、大きなバックにいれている。


「 こんな危険地域で立ち話は何だから歩きながら話そう。ここは血の臭いで魔獣どもがよって来るからね。また、魔獣に襲われるのは御免だからね。それに、そろそろ日が沈む頃だし街の方も近くだから早く着きたいからな。ほら、早く行こう。」


「あぁ。わかった。」


二人は、魔獣に警戒をしながら街に向かうために走り始めた。マックスは魔獣に遭遇しません様にと願いながら話しの続きをする。


「10キロ先にラクッスて言う街がある。辺境で危険地帯だが珍しい魔獣や魔物の素材が採れるからそれなりに発展してる。言うなれば、冒険者の街と言った方がいいな。だが、そこの領主が質の悪い奴だから注意した方がいいよ。横領、詐欺、さらに気に入らない奴の首を落とす輩だからね。」



それは、質が悪いな。領主には注意して置こう。しかし、そんな質の悪い奴がいる所で、冒険者達や領民はやって行けるのかと思い包もマックスの事を聞いてみる。


「それにしてもマックスは、商人なのに強いだな。」


さっきまで思った事を質問してみる。


「一応、ソロのC+ランクの冒険者でもある。けど、商売がメインだよ。商売の仕入れの関係で街を出る時に魔獣や盗賊に襲われることが日常茶飯事だから、その時に倒した魔獣をギルドで討伐証明部位を出していたらいつの間にかにランクが上がっていてね。それに冒険者だと何かと便利な事が多いからね。」


だから、こんなところで囮にされても生き残れたのだろう。Cランクとなれば、冒険者としては、一人前ぐらいの腕があるのは確実だろう。見たところ自分と歳が変わらない様に見えるからマックスは、冒険者としては有望株なのだろうな。だけど、メインの仕事が商売とかもったいないな。冒険者に専念すればもっと上のランクまで行けるはずだろう。



「仕入れ関係でここまでやって来たのか?」



「少し違うかな。今回は冒険者の依頼だよ。依頼主の家族が病魔に伏せていてな。それの薬の材料を採取したやつを今から届けに行くんだ。商売の仕入れは、その序でかな。」


メインの商売が序でなのだから今回の冒険者の依頼は、色がいいのだろうな。少し気になるから聞いてみよう。


「その冒険者の依頼は、報酬金は高いのか?」


「ああ。報酬金は高いよ。この依頼で帝国金貨が70枚だよ。それに、商売が上手く行ったらかなりの儲けになるよ。」


「すまないが常識に疎くて、帝国金貨の価値がわからないだけどは教えてくれないか?」


嘘だろ、という目で見ているが丁寧にお金事を色々補足して教えてくれた。マックスの性格がわかる行為だった。多分だが、彼は優しくて真面目性格なのだろう。


「帝国金貨12枚で、平民の平均月収ぐらいと言われてるよ。因みにCランクの冒険者は、金貨20枚以上は稼ぐかな。硬貨の種類は、神金貨、白金貨、金貨、銀貨、銅貨、小銅貨、あってね。小銅貨が10枚で銅貨が1枚。銅貨が10枚あって銀貨が1枚。銀貨が10枚あって金貨が1枚になるよ。さらに、金貨が100枚あって白金貨が1枚に。白金貨が10枚あって神金貨が1枚になるからね。多分神金貨は、金持ち以外はお目にかかることはないけどね。お金に関しては何となくわかった?」


「ああ。分かりやすくて助かったよ。」



大体のお金の目安がわかった。日本円に替えてみれば、小銅貨が十円で、銅貨が百円、銀貨が千円、金貨が一万円に当たるのだろう。ここからは、少し違うが、白金が百万円で、神金貨が一千万円になるのだろうな。本当に分かりやすくて助かった。

だが、平民の平均月収が十二万円ぐらいとか安くないか。そんなに安月給で生活できるのかね。多分、物価が低いからやって行けてるのだろうな。



「ラクッスの街が見えて来たよ。」


目の前には、城壁に囲われてる。街が見えて来た。そんなに大きくない街の様だが、城壁に囲われてるだけあって立派に見える。近づくにつれて大きな門が見えてきた。ユウは、これからの生活に期待と興奮を感じなからラクッスの街を目指している。しかし、ここで起きる騒動は、まだ、ユウは知るよしもなかった。








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