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第34話 魔法トランシーバー

大変遅くなってすいませんでした。


 メタルボアを倒して、道の修復まで行ったユウはテントに着いたら倒れるように眠りに着いたのであった。そして、ユウが起きた頃には太陽が昇り始めていた。何とか重たい体を起こして、泊まっていたテントを出てみると、近くでクララとジュナがお茶を沸かしている。


 「おはよう」


 「ユウ様、おはようございます。」


 「おはよう、やっと起きたわね。これからの予定なんだけど、今から森の中を調査するつもりだけど大丈夫かしら?」


 おい、流石にいきなり森の中に入るのは危ないだろ‼こう言う時は情報収集が命を左右するだぞ。


 「それはいくらなんでも危なくないか?情報収集とかやった方がいいじゃないか?」


 「そ・ん・な・事はあなたが寝ている間に、兵士達からの聞き取りをして情報収集は済んでいるわよ。そ・れ・に・森の近くまで行って様子を確認しているわ。」


 クララは『そんな事は当たり前でしょ』と強調する様にユウを睨んでいる。


 ………はい。クララ先輩、すいませんでした‼いやー、流石、元冒険者ギルドの職員ですね。

 

 「…………すいません。で、情報収集と森の様子はどうだったんだ?」


 クララの顔色が雲って、何とも言えない様子で喋り始める。


 「兵士達の聞き取りに関しては、気が付くと仲間がいなくなっていたり、死んでいる事が多いらしいわ。そして、森の様子なんだけど………生き物の気配がないのよ」


 えっ、それってかなりまずくないかい?兵士達の情報もヤバイけど、生き物の気配がないって言うのは、森の中で生態系が狂う程のことが起きているって事ですよね?うぁー、色々と面倒な事になってるな。


 「かなりまずくないか?」


 「そう……かなりまずいわ。あの森の中で確実に面倒な事が起こっているわよね。油断したら私達も命を落とすかも知れないわ。慎重に調査して行きましょう」


 クララは、今までにない程の真剣な顔でユウやジュナに注意をする。クララの真剣な顔を見て、二人も身が締まる思いで頷く。


 「作戦としては、ユウが森の中を単独で索敵とルート確認をして、安全が確保出来たらエリアから調査を行う予定よ」


 うん?…………って、おい‼俺一人で索敵するのかよ‼クララは俺に『死んで来い』とでも言いたいのかよ。


 「………お前は、相変わらずにヒドイ事を平気で言うよな。単独で索敵とか、死んで来いって言っているみたいなもんだぞ」


 「ヤバイ事が合っても戦闘力が高い、ユウなら何とかなるでしょ。それに、私やジュナちゃんが索敵するより索敵範囲が広いし、私達が何かあっても助けに戻る事を出来るでしょ。だから、作戦的には確実だと思うわよ。所で私とジュナちゃんは、ユウが見落とした可能性がある原因がないかを見つけましょうね」


 クララはユウの抗議を的確に反論して、しれっとジュナに作戦を説明する。

 

 正直、何も反論が出来なかった。確かに、クララの言う通りである。この中で戦闘力も高く、索敵範囲も広い。さらに、機動力もあるので、クララ達のカバーに戻る事を出来る。残念なが最善な作戦である。


 はぁー、仕方ない。それに、ジュナに何かあったら後味が悪いからな。


 「正直に言うと、嫌だけどその役割を受ける仕方ないよな」


 「当たり前よ。ほら、森に入る準備をするわよ」


 「そうだな。あっ、そういえば、昨日、テストで使った通信機だ」


 「相変わらず、むちゃくちゃな物を作るわね。でも、この魔法道具は冒険者にとって便利な道具になるわね」


 クララは初めて受け取って使った時に、性能と余りの小さなに驚いてしまった。そう、ユウが渡した物は無線機である。


 これは、ユウの世界で使われている無線技術とこの世界での魔法技術を応用して作った魔法トランシーバーである。

 

 一応、この世界にも同じ様な魔法道具があるのだが制作費用、維持費用がかなり高くて幅も大きいので、一部の組織や国以外は使用出来ていない。しかし、ユウの物は材料が手軽に買える物で作れる。また、エネルギー源も小さな魔石ですむのでコストパフォーマンスもばっちりである。だから、ある程度の冒険者でも買える単価で販売可能ある。もし、これが売り出されたら確実に完売は間違いなしである。因みに、イヤホンマイクも一緒に制作済みである。


 「これの使用可能な範囲はどのくらいなの?」

 

 「昨日のテストでは、何もなければ、3㎞ぐらいだけど、遮蔽物が多くあれば2㎞ぐらいだな」


 「携帯型にしては性能良さ過ぎよ。そして、作成お値段わ?」

 

 「まあ、1つ辺り金貨一枚ぐらいかな?」


 「…………目眩がして来たわ」


 「ユウ様は、やはり天才ですね」


 「ジュナ、俺は天才じゃないよ。俺の世界の技術と、この世界の技術を応用して作ってから大したことはないと思うよ」 


 ジュナは、ユウが異世界から来たことを知らないので困惑した表情でユウを見つめている。


 「えっ?ユウ様の世界の技術?この世界の技術?」


 「あーー、ジュナちゃんは知らないと思うけど、一応、異世界からの迷い人らしいわよ」


 「えっ、異世界の迷い人って迷信なんじゃないですか?本当に実在するですか?」


 「実在するわよ。あまり知られてないけど歴史的偉人の中にもいるわよ。そして、残念ながらこいつも異世界からの迷い人よ」 


 おい、残念ながらとはなんだよ‼ 


 「ジュナには言ってなかったと思うけど、一応、俺は異世界人なんだ」


 「でも、何となく納得する気がします。ユウ様は、やはり、どこかこの世界の人と違う気がしますので」

 

 ジュナもどこかユウの事を不思議に思っていたらしいので少し納得した様子であった。

 

 三人は魔法トランシーバーの使い方を確認して、森に入る為の道具を忘れてないか確認するのである。そして、不気味な程に静かな森の中に入って行くのであった。

 


 


 


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