第32話 冒険者の依頼
遅くなってすいません。でわ、どうぞ。
ユウ、ジュナ、クララは冒険者ギルドで依頼の内容を細かく聞いている最中である。そして、クララは溜息をしながらポツリと呟く。
「はぁ……何でこうなったのかしら?」
ユウ達と一緒に修理や改築に必要な材料を買いに市場などに出掛けたはずだったが、いつの間に町の外で材料を集める話になり、次いでに冒険者の依頼を受ける事になってしまった。そして、近場で材料集めと依頼をこなすつもりがギルドからの頼みで遠征する羽目になっている。
ギルドから依頼内を受ける羽目になった内容はこうである。
レオンポートから2日ぐらい所にあるレオンの森で行方不明になっている兵士達の捜索と原因調査である。何でもレオンの森付近に見回りに出掛けた兵士達が帰って来ないので、大勢の兵士達を捜索に派遣したのだが、捜索に出掛けた大勢の兵士達も帰って来ないという事態になってしまったらしい。そのため軍は冒険者ギルドにも応援要請を出たらしい。しかし、レオンの冒険者ギルドにはレベルに見合った冒険者達が出払っていたり、依頼を受けてくれる冒険者が居なくてギルドとしては困っていたらしい。そこに、軽い気持ちで依頼を探しに来たユウ達にすがる気持ちでお願いする形になったのである。
まあぶっちゃけ、冒険者ギルドとしてはユウ達を召集するつもりで準備していたらしいので遅かれ早かれ知る案件ではあった。細かな話を聞き終えたユウ達は、この依頼を受けるか話し合いを始める。
「まあ、受けてもいいじゃん。改築に必要な木材や材料集めに持って来いの場所で、依頼の内容はそこまで難しくないだろ。一週間捜索して行方不明者を発見したら救助する。発見出来なければそのまま帰還する。そして、原因が分かれば報告するだけなんだろう?」
「そうなんだけど、何か嫌な予感がするのよね。それに、捜索に出た兵士達も行方不明になったのが気になるのよね。」
「確かにそうだけど、何かあればすぐに撤退してもいいみたいだから大丈夫だろ」
「クララ様、あまり気にし過ぎるのもどうかと思いますよ。それに、ウルファー様が強引に依頼を受けるように根回しされそうな感じがするのですが?」
…………………
ジュナの言った一言にユウとクララは無言になって考える。そして、考えた結果は残念ながら有り得るという事に辿り着いてしまった。
「……確かに有り得そうね。はぁ、諦めるしかないようね。何かあれば深追いせずに撤退しましょ」
「おう」
「はい」
ユウ達は依頼を受ける事を受付嬢に話すと、受付嬢は嬉しそうな顔をしてギルドカードを受け取り手続きを始める。すぐに手続きを終えたようで色々と羊皮紙とギルドカードを渡してくれた。
「この羊皮紙はレオンの森近くに軍が臨時の拠点を置いてますので到着次第に部隊長にお渡し下さい。」
「わかりました。では失礼します」
「無事に帰って来る事を願っております。行ってらっしゃいませ」
受付嬢は満点な笑顔でユウ達の無事を願って送り出してくれた。
ユウ達は一度、マックス達に報告する為に戻って話すると、マックスが遠征に必要な食料などを準備してくれる事になった。しかし、今回の遠征には参加しないで、エリーとマイの面倒を見ながら開店する準備をするらしい。
マックスが準備してくれる間に、ユウは遠征に役に立ちそうな装備や道具の開発したり、お店の修繕を取り組む事する。一方、クララやジュナは鍛練や武器の手入れなど各々の時間をしている。そして、朝焼けが広がるまでもう少しという時間であるが全員が玄関に集まっている。
「ユウ、クララ、ジュナ、必要な物があるか確認してくれ」
遠征組は鞄の中身を最終確認してみる。
「ありがとう。大丈夫だわ」
「エリーちゃんとマイちゃんの面倒は僕が見るから安心して行って来れ」
「マックス、何から何まですまんな」
「エリー、マイ、マックス様の言う事はしっかり聞くのですよ」
「マックス君、すぐに帰って来るからよろしくね」
マックス達に別れを告げてから現地に向かう為に馬車に乗り込む。レオポートが見えなくなる頃には辺りは明るくなって来ていた。クララの話では夜になる頃日は中間地点の村までに到するらしい。
ユウ達を乗せた乗り合い馬車は順調に進んで行く。たまに弱小スライムが襲い掛かって来るが従者によって簡単に倒される。お陰で夜になる頃には無事に到着する事が出来た。
小さな村では異例のフル装備をした兵士達が検問を行っていた。どうやら、この村は臨時拠点の重要な補給地点なので色々な物資があるので多くの兵士達が警戒にあっているようだ。ユウ達はギルドカードを見せてから村の中に入る事が出来た。
「しかし、村人や兵士達が暗いな」
「仕方ないわよ。近くで大勢の兵士が行方不明になっているし、強固な城壁などもないから不安で暗くなるのは当たり前よ」
「そうですね」
クララは辺りを見渡しながら首肯く。
村人や兵士達が暗くなる気持ちも分からなくもないな。村には2メートルぐらいの木の丸太で囲われているが、古くなっていて所々で朽ちている箇所も見行けられる。何とも心持たない気持ちになる。
「そんな事より、宿屋に向かいましょ」
「そうだな」
村で唯一の宿屋で部屋を借りる。そして、荷物を置いてから一階の食堂に向かう。食堂のテーブルに着くと黒パンと色が薄くて具材が少い野菜スープがすぐに出てくる。地方の宿屋の食堂は基本的にメニューはなく、これが当たり前に出てくるらしい。そんな食事をユウは恐る恐る口にする。
……まっず。この野菜スープ、味がしないですけど、それに、この黒パンは固すぎて食べるのが大変なんですけど、どうやって食べるだよ。
ユウは隣にいるクララやジュナを見てみるとパンをスープにたっぷりと浸してから食べているが、それでも固い様子で、二人とも食べ難そうに噛んでいる。
ユウは悪戦苦闘しながら何とか食事を食べ終わり部屋に向かう。特にやる事はないなので、明日の準備を行ってからユウ達はすぐに就寝する。
まだ、太陽が昇るにはまだまだ必要な時刻であるが、ユウはフッと目が覚めてしまったので久しぶりに朝稽古をしたい気持ちになった。クララやジュナは寝ている様子だったので起こさないように仕度をして部屋をを出る。
よし、先ずは体をほぐしてから軽く型の確認でもするかな
ユウは宿屋の外で軽いランニングと体操を行ってから飛鳥流の攻撃の型と防御の型を交互に流れるように繰り出して出来具合いを確認して行く。それを一時間ぐらい行っていると、宿屋からクララが例の日本刀を持って現れる。
「あなたが朝稽古とは珍しいわね。」
「俺だって朝稽古するからな。まあ、今までは忙しかったからやる暇がなかっただけだよ」
クララは何か色々と言いたそうな顔をしているが諦めて溜め息をひとつする。
まあ、お前が言いたい事は何となく分かるけどな。
「まあ、いいわ。それより、私も朝稽古に参加してもいいかしら?」
「お好きにどうぞ」
二人は額に汗を流しながら各々の朝稽古を取り組んで行く。気付けば朝焼けが顔を出して来ている。




