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第26話 スライムの祠 ②

 

 モオォーー !!


 えぃーーー!!


 ユウ達一行は、9層目の階段前のフロアで閉じ込められて、ミノタウルスの上位種であるミノタウルス騎士ナイトと戦っている。因みに、ミノタウルス騎士ナイトは、大剣と盾と重厚なフルプレートの鎧を着けている。


 ミノタウルス騎士ナイトとの討伐ランクはB+であるが、ミノタウルス達を引き連れている場合は討伐ランクがランクAまで跳ねがある強敵である。


 「ユウ!! ミノタウルス騎士ナイトとミノタウルスを出来るだけ抑えてよ!!」


 「わかってるよ!!」


 ユウは、壁役として獅子奮迅でミノタウルス騎士ナイトとミノタウルスを抑え込んでクララ達を守っている。そして、クララ、マックス、ジュナが隙を見て攻撃しているが、なかなかミノタウルスの数が減らない。その原因は、ミノタウルス騎士ナイトがユウの相手をしながらミノタウルス達に的確な指示を出すので上手く行かないのである。


 クソ!! 一人ならどうにかなるかもしれないけど、集団戦は慣れてないのにクララ達を守りながら戦うのは分が悪いな。それに、皆の表情が重い。緊迫した戦闘の影響で疲労がピークに来ているみたいだな。このミノタウルス騎士ナイトを早く片付けないとまずいな。


 ユウは、ミノタウルス騎士ナイトの大剣を飛鳥流 小手流しで大剣を流して、ミノタウルス騎士ナイトの腹に正拳突きを叩き込む。ミノタウルス騎士ナイトの鎧が陥没するぐらいの威力であったが倒すまでのダメージではない。しかし、ミノタウルス騎士ナイトは苦しそうな声を上げている。


 よし!! このまま押しきるぞ!!


 ミノタウルス騎士ナイトの陥没した鎧を集中して攻撃する。すると、鎧が変な音を上げ始めて、ミノタウルス騎士ナイトも苦しそうな声を強めている。


 これを喰らえ!!


 拳王の一撃!!

 

 ユウは、右拳に大量な気を溜めて、打ち放つと同時に溜まった気をミノタウルスにぶつける。すると、ミノタウルス騎士ナイトの鎧をぶち壊しながらミノタウルス騎士ナイトの体を貫通する。



 モッ………ォォン…………



 ミノタウルス騎士ナイトの目から生気がなくなり倒れ込む。ミノタウルス達を統率していたミノタウルス騎士ナイトが倒れた事によって、ミノタウルス達に動揺が走り始める。その機会をユウ、クララ、マックスは見逃さないで猛攻撃をする。そして、10分後には殲滅する事に成功する。


 「……終わったな。皆、怪我はないかい?」


 「すまない。……肩をやられた」


 マックスは右肩を押さえながら苦しそうに答える。どうやら、ミノタウルスにやられたようで服の下から血が滲み出ている。多分、ユウが造った簡易アーマーがなければ右腕を切り落とされていたかも知れない。

 


 ヒール!!



 ユウがマックスにヒールを掛けて上げると苦しんでいた表情が和らいで肩からの出血も止まった。


「ユウ、ありがとう。助かったよ!!」


 クララとジュナ達は怪我がなかったようだが疲労がピークに来ている様子で疲れきった表情をしている。


 まあ、ジュナ達は最近まで、奴隷として鎖に繋がれて弱っていたし、クララもギルド職員って言っても相手はミノタウルス達だから疲労するのは仕方ないよな。

 

 「見張りは俺がやるから皆は休憩して!!」


 「すまない。流石に僕も体力の限界だよ」


 「ありがとうございます!!」


 「ユウも後で少し休憩してね。多分、ダンジョンボスがいる可能性があるから死ぬ気で頑張ってね♪」


  

 ………うん? この言葉は優しいのか厳しいのか分からないな。でも、クララの言う通りだな。ダンジョンボスがいるなら死ぬ気で頑張らないとまずいな。


 ユウは出入り口を見張りながらも少し休暇をする。しかし、休憩を始めて5分ぐらいで入り口の通路の奥から大勢のミノタウルスの声が聞こえて来る。そして、索敵スキルにも沢山の反応がある。


 「そろそろ潮時だな。皆、最後の層を突破して帰るぞ!!」


 「『おーー!!!』」


 掛け声の後に最後の層と思われる10層目の階段を登って転移する。転移すると小さなフロアに到着する。そして、フロアの正面には大きな門が鎮座している。


 「扉の奥にデカイ反応があるな」


 「これでダンジョンボスがいるのは確実ね」


 「あぁぁ」 


 ギィギギギギィィーー


 えっ!!


 目の前の大きな門が不気味な音を響かせながら開き始める。


 「ユウ、何かした?」


 「いや……何もしてないはずだが……」


 クララは困惑の顔を色を浮かべながら皆に確認するが、皆は首を横に振っている。


 「…おい!!小僧ども早く中に入れ!!」


 ドスの効いた声が辺りに響き渡る。声の主は扉の奥の暗い所から聞こえて来た。ユウ達は、声の主を探そうと目を凝らして見ると、大きな玉座に何か大きな奴が座っているのが分かる。


 「おい!!早く入れ!!」


 さっきより大きな声がフロア全体に響き渡る。ユウ達は恐る恐ると中に入ってみる。すると、フロアの松明に炎が付いて辺りが明るくなり、大きな玉座に座っている声の主の全容が明らかになる。


 でけぇな……


 ユウ達の目の前には大きな玉座の上にふんぞり返っているミノタウルスがいる。しかし、下の層にいた普通のミノタウルスより遥かに大きくて立ったらティラノドラゴンぐらいありそうな大きさである。さらに、重厚な鎧の隙間から見える筋肉は隆々で、横には巨大なバトルアックスが置かれている。


 「小僧ども良く此処までたどり着けたな。それに素晴らしい戦いぶりだった!! 特別に褒めてやるぞ!!」

 

 あっ……どうもありがとうございます。あっ、その前にダンジョンボスって喋れるんですね。


 色々と条件があるらしいが知能が高いダンジョンボスは喋れる事が出来るらしい。さらに、喋れる=強い なので、このミノタウルスは強いのは確定である。


 「………喋るダンジョンボスとはツキがないわね」


 「……そのようだね」


 クララとマックスは顔色が悪い。流石の二人も喋るダンジョンボス相手の強さを知っているので恐怖を感じているようだ。


 「おいおい、そんな怖い顔するな。いきなり喰って掛からないからよ。少し楽にしろ!!」


 ダンジョンボスの話を信じていいのかな?一応、使えるか分からないけど鑑定スキルを使ってみようかな?


 鑑定スキルを使ってみると


 ★ステータス★


 ミノタウルス将軍

 討伐ランクS

 

 スキル

  忠誠心 (忠誠心が高いとステータス上昇する)

 統率 (統率力が上がる。個人差あり)

 剛撃 (強烈な一撃を放てる)

 鉄壁な肉体 (耐久性が上昇する。個人差あり)

 斧術 (斧を使うのが巧くなる。個人差あり)

 肉体活性 (魔力を使い肉体を活性する事が出来る)

 

 ウソだろ……討伐ランクSかよ…… それに強力なスキルも多いな……


 ステータス画面を見て驚いていると


 「小僧、勝手に覗き見るのは関心しないぞ。まあ、話をするまで襲わないから安心しろ」


 勝手に見てすんません!!しかし、話ってなんだろな?本当に襲わないのだろか? 


 「本当か?」


 「本当だ!!我が王に誓おうぞ!!」


 えっ!! そこは神に誓おうよ!! 何か怪しいな……本当に信用していいのかな。

 

 「ユウ、下手に動かない方がいいかもよ」


 「僕もそう思うな」


 どうやら、クララとマックスは未知の相手に慎重になっているようで相手の出方を探るつもりのようである。


 「そうだぞ、坊主!! 少しは俺の話を聞くことだな!!」


 「わかったよ。聞いてやるよ」


 「分かればそれでいい!! 話と言うのは……我が王と共にこの世界を征服しょうぞ!!」


 「お断りします!!」


 「即答かよ!!」


 バカ言うな!!そんな面倒な事をするかよ!!俺は物造りがやりたいし、穏やかに過ごしたいだよ!!


 少しズレてる思惑があるが怪しい勧誘を断るのは当然な判断である。しかし、最後に思った、穏やかに過ごすのは少し無理がある。何故ならこれだけの力があって穏やかに過ごせる訳がない。そして、既にマリアナに目を付けられてるのでもう無理な話である。 


 「俺は嫌だね。皆は?」


 ユウは皆に目を向けるが、確認する前に首を横に振っている。


 「そうか…… 才能があると思ったのにな……… 仕方ない……お前達は……此処で死んでもらうぞ」

 

 ミノタウルスは玉座から立ち上がり、ユウ達を見下ろしながら近づいて来る。その迫力は口で言えない程の恐怖を感じる。


 「先ずはお前から殺してやるよ」


 ミノタウルス将軍は獰猛な笑みを浮かべて、この巨漢とは思えない程の速さでユウの目の前に詰め寄り、そのままユウの腹にパンチを打ち込もうとしている。


 避けないとマズイ!!


 ユウは攻撃を交わそうと思った時には既に遅かった。鋭いパンチがユウの腹にめり込んで激痛が走る。ダンジョンボスのミノタウルスは詰め寄ったスピードを殺さずにパンチに乗せているので威力が半端ではない。


 ヤバイ……力を流さないとこのままでは死んでしまう。


 ユウは何とか体を捻って力を外に流すが全部を流す事が出来なかったので、そのまま奥の壁まで吹っ飛ばされて壁にめり込んでしまった。


 ユウは何とか体を動かそうと頑張るが全然動かない。


 ヤベ………体が……動か…ない


 何度も何度もユウは必死に動かそうとするが体がピクッとも言うことを聞かない。何故ならユウの体は、ミノタウルス将軍の一撃であばらの骨が砕けて、心臓に大きなダメージが届いてしまって止まり掛けている。


 トックン…トックン………トックン………………トッン……………


 ダメ…だ…………意識が…… でも……皆を……守ら……ない……と………


 ユウは頑張って意識を保とうとするが深い闇の中に飲み込まれるのであった。



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