友達の青春
「佳奈おっはよー」
私が教室に足を踏み入れて1番最初に声をかけてきてくれたのは友達の遥香。
「おはよう」
そして私はあることに気づく。
「……遥香?」
違和感しかない。
「ん?何?」
「なんでそんなに笑顔?」
明らかにいつもとは違った。
「あ、やっぱわかる〜?」
なんだろうか、遥香にも彼氏ができたというのだろうか。
「実はさ〜」
遥香はここでひと呼吸置いて、少し躊躇った。
「彼氏、できたんだよね」
やっぱりか。
「よかったね〜」
とまぁ、そう返しておく。
「あれ、反応薄くない?」
そりゃあ、この朝の短い時間で同じこと言われたらこうもなります。
仲間だと思ってたのにー。
「そうかな?でも遥香、なんでさっき言うの躊躇ったの?」
「え?」
え?
なに、どうしたの。固まっちゃって。
しばらく固まって、
「佳奈、エスパー…?」
そう呟いた。
いや、遥香がわかりやすいだけ…。
「そうでもないよ」と笑って返した。
遥香が言うにはこうだった。
遥香は今、ゲームにハマっているらしく、そのオンラインゲーム?とやらで知り合った人と交流を深め、交際に至ったらしい。
ゲームもなにもしない私にとってはよくわからない。
ただ、ひとつの疑問が浮かんだ。
「ねぇ遥香、その人とは会ったことあるの?」
遥香は首を横に振った。
「自分でも会ったことない人に恋心いだくのはどうかと思ってる。でも…」
遥香は俯き、
「…好きなの」
と小さく言った。
もうなんなんだろうか。
女子可愛すぎ。