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11月4日 『子ども心』
子どもの頃の記憶はあやふやなようで鮮明で。現実であったか夢であったか。なにが真実だったのかは定かではない。けれど確かにあの日あの場所で、僕は確かに生きていた。最近のことはあまり思い出せない。昨日のことさえおぼろげなのだ。だが、過去の記憶はいつまでも頭の引き出しにしまわれたままである。その扉を叩くと、いとも簡単に扉は開く。
あの頃の顔、感情、誰かの言葉。僕を見守る大人の視線。楽しかったことも悲しかったことも覚えているのに、なぜかその記憶は全て同じ色に染まっている。あの頃見た空の色が何色だったのか、今の僕には思い出せない。
でも確かに青かったんだ。あの日の空も確かに青かったはずだけれど、記憶の中の僕はそんな青さなど目にも暮れず。何かを必死に追いかけている。その先にあるのは、僕自身のはずなのになぁ。
幼き頃の僕よ。君が求めていたものは今の僕であるのかい?




