10月17日 『人生ハードモード』
僕は今まで、何故こんなにも自分ばかりが損をする役回りなんだと思っていた。普通に過ごしていたはずなのに話が合わないという理由で一人ぼっちになり、1人でも平気だと自分に言い聞かせ、すると大人はお前から話しかけないとダメだろと言ってきて、勇気を出して話題を振るもすぐに話題は終わり、相手から話しかけてくれることなど一生なくて、それでもめげずに頑張っていたつもりだったけど、最終的に取り残されて、他人がもてはやされているのを良かったねと見送って、酷い目にあったのが他の人じゃなくて良かったと自己完結して、とにかく自分という存在をこれでもかというほど無碍に扱って来た。自分は人生ハードモードの中にいて、不幸の星に生まれて来たのだと信じ込んで、楽しそうな人間を見ると疎ましく思うようにさえなった。
このまま消えよっかな。そんな軽い気持ちで、部屋のベランダから地面を見下ろした。
ある日突然、僕は目を覚ました。怖い夢を見ていた気がする。現実は何一つ変わってはいないのに、なんだか足元が軽くなった気がした。自分を酷く扱う人間に対しても、その人からの学びはなんなのかと置き換えるようになり、1人でいてもそれが苦ではなくなった。人の目を気にして必死にもがいていた自分はそこにはいなくて、他人がある場所に自分という存在がいることを誰も制限など出来ないのだと気がついた。
今まで一体なぜそんなにも自分を追い詰めていたのかと思い返すと、それは自分が望んでいたからなのだと思い至る。辛い人生など誰も求めてはいない。けれど心の奥底、いわゆる潜在意識と言われる領域で、僕は辛い人生と引き換えに学びを得ていたのだと思う。人の痛みを嫌というほど感じて来たからこそ、人にこの思いをさせまいと気遣える優しさが生まれる。けれど最初から人生イージーモードの人間はそうではない。自分を中心に生きて来たから、それ以上の学びを得ようとはしない。学びの天井にぶつかって、そこが到達点だと勝手に思い込む。
だから苦しんでいる人にぜひとも伝えたい。辛く苦しい時期が長ければ長いほど、あなたは人より多くを学び確実に豊かな人生を歩む準備をしているのだ。どうか、生きることを諦めないで欲しい。




