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僕の絵本日記  作者: 高冨さご
9月

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9月22日 『声』

 こんにちは、ぼくはウサギです。森にすむウサギです。山奥でひっそりと暮らしています。友達もいます。けれど昔ほどじゃありません。


 人間たちはぼくたちを見つけると、可愛い、可愛いと言って写真を撮ります。時には恐ろしい声をあげて追いかけて来る人間もいます。人間は苦手です。ぼくのおじいちゃんは人間に捕まったきり、帰って来ませんでした。人間は何でも食べると言います。ぼくのおじいちゃんも食べられてしまったのかもしれません。ぼくは人間が苦手です。


 この前この森にたくさんの人間が来ました。なんでもこの森に、大きなゆうえんちというものを作るそうです。そのためにぼくたちの家を切り崩す必要があると話していました。もちろん大反対です。ぼくたちは住むところを失います。猛抗議をしましたが聞く耳持たず、人間たちは大きな乗り物でぼくたちの住処を破壊して回りました。大切にしていた宝物を穴の中に埋めていたのに、それも全部なくなってしまいました。ぼくはとっても悲しかったけれど、生きるためには逃げるしかありませんでした。


 ぼくたちは今、さらに奥深い山の中に潜んで暮らしています。ここには先住ウサギが沢山いて、逃げて来たぼくたちは肩身の狭い生活をしています。おうちに戻りたいです。けれど、そのおうちはもうありません。ぼくたちは人間を見ると怯えます。それを見て人間は可愛い、可愛いと言います。


 僕は人間が嫌いです。

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