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4月10日 『入学おめでとう』
少しだけ緊張気味の君はこう言った。
「別に、楽しかったよ」
顔は何一つ笑ってないくせに、目元だけふにゃりと曲げて見せた。
誰も知らないところに放り込まれ
たった一人ですべてが初めてのことばかり。
僕にもう一度やり直せと言われたら
冗談じゃない、お断りである。
なにが楽しくて全く知らない人間たちに囲まれて
全く興味のない事を
朝から夕方まで聞かせれなければならんのだ。
それが齢6つの幼子へと降りかかる。
実に素晴らしいことだ。
多少の我儘くらい、見逃してやるか。




