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第124話 一夜城

「秀吉かっ!」

景隆は思わずツッコミを入れた。


豊臣秀吉が短期間に築城したエピソードとして、特に有名なのは墨俣一夜城と石垣山城である。

一夜で完成したという伝承に対し、実際には数週間かけて築城されたという説もある。


「私は色々やらなきゃいけないことがあるの。

こんなしょーもない仕事は一気に終わらせたいわ」

(うわ……安堂さんが聞いたら顔を引きつらせそうだな……)


翔動にとっては初の大型受託案件であるが、新田にとっては単なる通過点のようだ。


「うーん、俺も仙台に行く予定があるから、そのくらいで終わってくれると助かる」

「マジで言ってんの?」


景隆の無茶を止めるのが柊の役割であったが、今は立場が入れ替わっていた。


「まずは役割分担を決めてみるか……」

景隆はホワイトボードに書き込んでいった。


─────

プロマネ: 下山(石動)

インフラ: 鷹山、石動、柊

バックエンド: 新田、柊

フロントエンド: 森ノ宮

テスト: 竹野

─────


「私は?」

「上田は顧客との連絡係を頼む、仕様が不明な点があったらすぐに確認して、手戻りがないようにしたい」

「おっけ」


(うーん……俺がもっと動ければ……)

景隆は自分がフルタイムで働けないことにもどかしさを感じていた。

鷹山も同様に感じているようで、ムズムズとした表情をしていた。


「どうせなら、仕様書にない機能も実装して、驚かせたいわね」

「俺が驚いたわ!」


ただでさえ時間がない中で、新田はとんでもない提案をしてきた。


「どうせ、あんたたち二人が、安堂って社長に舐められたんでしょ?」

「うぐっ!」


新田の心中を察したのか、上田が見てきたように言い放った。


「それ、本当ですか? なら、見返してやりたいですね」

(いかん、鷹山にも火が付いた)


下山は「一週間……一週間か……」とぶつぶつとつぶやいていた。


「竹野はエンプロビジョンから、テストができそうな人を引っ張ってきて」

「わかったッス」


新田は水を得た魚のように指示を出し始めた。


「データベースは……石動、外部から人を雇っていい?」

「あぁ、NDAにサインしてくれればOKだ。報酬を考えたら、人件費なんて誤差だ」

「じゃあ、大熊を引っ張ってくるか……デルタファイブでこのプロジェクトに強そうな人はいない?」


新田の問いに、景隆と鷹山、そして柊は同じ人物を思い浮かべた。

(((あの人しかいない)))

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