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涙雨

作者: Libra

雨音がしている


まだ夜明け前


手を伸ばしてあなたをさがす


感じるのはあなたの残り香


あなたはいない


雨音がわたしをつつむ


思い出が走馬灯のように私を襲う


忘れたい雨の思い出


初めてのキスも雨がふっていた


ふたりはじめて身体を重ねた日も雨がふっていた


ケンカをした日も大雨がふっていた


仲直りした日も雨がふっていた


ふたりすれ違いが多くなり


別れの日


軒下で空を眺めて


「今日も雨がふっている」


雨ではじまり 雨でおわる


わたしの恋


傘をささずに


雨の中


空をながめ


涙を隠した




ひとりでは広すぎるベッド








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― 新着の感想 ―
[良い点] お久しぶりです ようやく梅雨入りのようですね しっとりとした作品でした
[一言]  もしも出逢った日も雨が降っていたのなら、それは雨でできた小さな川に一瞬陽の煌めきのように生まれた恋で、そして雨に流れるまま終わってしまったのかもしれなかったですね。  恋の輝きが強いほど壊…
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