33.ぼくはすてられた。 sideルーチェ
長い間更新できなくてすみません…。
今回はルーチェ視点になります。短めです。
ぼくはしろねこのじゅうじん。
とうさんとかあさんもぼくとおなじしろねこのじゅうじんだった。
でも、おなじしろねこのじゅうじんなのにぼくはとうさんとかあさんとはちがった。
それは、めのいろがべつべつなこと。
とうさんははいいろのめで、かあさんはちゃいろのめ。
だけど、ぼくはあおときんいろのめだった。
きもちわるい。
ぼくはこのめがだいきらいだ。
このめのせいで、ぼくはすてられた。
ぼくは、とうさんとかあさんにあいしてもらいたかった。
だから、おなじむらのこにいじめられてもなかないようにがまんして、いいこでいるようにした。
でも、どれだけぼくがいいこでいても、とうさんとかあさんはぼくをだきしめたり、あたまをなでてほめてくれたりしてくれたことはなかった。
それでも、いいこにしていればいつかとうさんにあたまをなでてもらって、かあさんにやさしくだきしめてもらえるとおもってたからあきらめなかった。
けど、それはちがったみたいだ。
ぼくのこのめがなかったら……とうさんやかあさんとおなじいろだったらあいしてもらえたのかな…。
あるひ、うまれてからはじめてかあさんになまえをよばれた。
うれしくて、どきどきしながらかあさんのもとへいった。
そこにはかあさんととうさんともうひとり、みたことのないおじさんがいた。
とうさんはぼくのうでをひいておじさんのまえにぼくをつれていった。
おじさんはじろじろとぼくをみてきて、そのめはすごくきもちわるかった。
おじさんはぼくをみたあとにとうさんとはなして、とうさんにチャラチャラおとがするちゃいろいふくろをわたした。
ぼくはそれをだまってみていたけど、とうさんはおじさんからふくろをうけとるとぼくのことをおじさんのほうへつきだした。
びっくりしてふらついたけど、がんばってころばないようにたえた。
そしたら、おじさんにうでをつかまれて、そのままぼくをひっぱってそとにつれていこうとした。
わけがわからなくて、こわくて、ひっしにていこうした。だけど、ぼくよりおおきいおじさんにはぜんぜんかなわなくて、ぼくはとうさんとかあさんをよんでたすけてっていったけど、ふたりともなにもしてくれない。
ぼくをずっとにらんでた。
なんで…なんで……なんで?
ぼくをひきずっていたおじさんはぼくがあばれるのがうっとうしかったんだとおもう。
ぼくをにらみつけながら、おじさんは「大人しくしろ!お前は売られたんだ!!お前の両親にな!だから、助けを求めたって無駄だ!!!お前はもう俺の物なんだから言うことを聞け!!!」といった。
うられた……?ぼくが、とうさんとかあさんに……?うそだ……。
しんじられなかった。
しんじたくなかった。
ふたりにあいしてほしくて、たくさんがまんして、がんばっていいこにしてたのに。
それなのに、とうさんとかあさんはぼくをすてた。
ぼくはそれをきいてぜつぼうして、からだのちからがぬけた。
ここまで読んでくださりありがとうございます。
遅くなってしまいましたが、11話の誤字報告ありがとうございました。とても助かります!訂正させていただきましたのでよろしくお願いします。
次もルーチェ視点のお話になります。いつ更新できるのか定かではないのですが、お待ちいただけると嬉しいです。




