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異世界で子育てはじめます。  作者: 夜涙時雨
31/43

31.いたい、こわい。 sideノワール

※ノワール視点になります。ノワールはまだ幼く、ゆづるに出会うまではあまり人と話す機会がなかったため少し拙い話し方になっています。

読みにくいかもしれませんが、暖かい目で見守ってあげてください。


ぼくはのわーる。

なまえはなかったけど、ゆづにいにつけてもらった。

くろとかよるっていみなんだって!ゆづにいはくろとかよるがすきっていってたからうれしい!

のわーる、のわーる……ふふふふ。

ぼくはね、ゆづにいにあうまではずっとひとりだったんだ。




ぼくがいちばんさいしょにおぼえているのは、おおきいおじさんにたたかれたこと。なんさいだったのかはおぼえてないけど、すごくいたかった。

いたくていたくてたすけてほしかった。でも、ないてもだれもたすけてはくれなかった。

おおきいひとはたくさんいたのに…。

ないてるとおおきいおじさんは、「うるさい」ってまたたたくんだ。いたいっていってもやめてくれなくて、さいしょはてでたたいてたのにあしでもけってくるようにもなった。

あしでけられるとね、ぼくちいさいからとおくにとんじゃうんだ。

それをみて、おおきいおじさんはぼーるみたいだってわらうんだ。おまえはにんげんさまのぼーるになるのがおにあいだっていって、うれしそうにわらってた。

なにがおもしろいのかぼくにはわからなかった。だって、ぼくはいたくてくるしいんだ。おもしろくなんてない。

あ、でも、おおきいおじさんにけられると、くるしくてちょっとうごけなくなるんだ。そうするとおおきいおじさんはぼくをけるのをやめて、どこかにいっちゃうの。

おおきいおじさんがいなくなると、いたいことをしてこなくなるから、いつもたたかれているときははやくけらないかなっておもってた。

だって、けられるのはいたいけど、けられたらもうおおきいおじさんはたたいてこないもん。




おおきいおじさんはぼくだけじゃなくて、ぼくよりおおきいけどおおきいおじさんよりはちいさくてほそいひとたちのこともぐーでなぐったりけったりしてた。そのひとたちはぼくよりはおおきいから、おおきいおじさんにけられてもぼくみたいにとおくにはとばないからぼくよりたくさんけられてた。

ぼくはいまはちいさいけど、おおきくなったらぼくもあんなふうにたくさんけられちゃうのかな。いやだな…。




おおきいおじさんはぼくがわるいことをするとごはんをくれない。

いつももらってたべたぱん?とみずはかたいし、ちゃいろでおいしくはなかった。でも、たべないとおなかがぐーぐーなるからがんばってたべるんだ。

がんばってたべてもときどきおなかがいたくなるときがある。

なんでだろう?がんばってたべたのに、へんなの。




ぼくがちょっとおおきくなったときにるーがきた。

さいしょはぼくとちがってしろくてながいしっぽがあって、きれいなこだなーっておもってたけど、ぼくのところにきてからはだんだんとちゃいろになっていった。

るーはあまりしゃべらなかったけど、ぼくとおなじくらいちいさいからいっしょにいることがいっぱいあった。

ぼくずっとひとりだったからすこしだけうれしかった。




るーがきて、いっしょにいることはいっぱいあったけど、それでも、むねがぎゅっていたくてくるしくなるのはなくならなかった。

ずっとくらいところにいて、あかるいところはわからないけど、そとからときとぎこえがきこえる。

ここにいるひとたちとはなにかちがうこえ。なにがちがうんだろう…?

わからないなぁ……。





おおきいちゃいろのどうぶつ。おうまさん?っていうみたい。そのおうまさんがぼくたちがはいってるおおきいくらいはこをはこんでいたとき、とつぜんそとからおおきなおとがきこえた。

キンッ!とかカンッ!とかドンッ!とかこわいおとがいっぱいきこえてきた。

こわくてるーといっしょにちかくにおちてたぬのをかぶって、はこのすみっこでぎゅってしてぶるぶるふるえてた。

そしたら、とつぜんはこのいりぐちがバンッ!てひらいたの。ぼくはぬのをかぶってたからみえなかったけど、いっしょにはこにはいってたひとたちがさけんでるのはきこえた。

ぼくみみがおおきいからみみをおさえててもききたくないことがきこえちゃうんだ。

みんなやめて!とかいやだ!とかいってた。

ぼくたちのちかくになにかがたおれてきて、ぶつかってはないけど、だんだんといやなにおいがしてきた。

なんなのかわからなかったけど、すごくこわかった。

はこのなかにいたひとたちとか、ごはんをくれるひととか、ぼくたちをたたいたりけったりするおおきいおじさんじゃないひとのこえもきこえた。

おとこはころしておんなはつれてけ?とか、かねめのものはぜんぶもってくぞ?とかいってたとおもう。

そこらへんはこわくてあまりちゃんとおぼえてない。

ぼくたちはみつかっちゃうんじゃないかとおもってたけど、しらないひとたちはぼくたちにきづかないでどこかにいっちゃった。

しずかになってもまだこわくて、るーとずっとかくれてた。

どれくらいかくれてたのかな…?

そとがだんだんとくらくなって、あかるくなってきた。くらいときは、ガサガサっておとがしたり、こわいこえがきこえてきてずっとはこのなかにいた。

でも、あかるくなってくるとおとはしなくなって、るーといっしょにはこのそとにでた。

はこのなかもはこのそともあかくてくろかった。たくさんのひとがいたけど、みんなうごかない。ぐちゃぐちゃでくさくて、こわかった。

はこのそとにでたけど、ぼくたちはどうすればいいのかわからなくて、るーとふたりでいたけど、とおくからガタガタっておとがきこえてきた。

るーにきこえてたかわからないけど、ぼくたちはこわくなってちかくのきやくさがいっぱいあるところにはいった。

からだがみえないようにくさやはっぱにかくれてた。

だんだんとおとがちかづいてきて、おとはぼくたちのちかくでとまった。

おとこのひととおんなのひとがいて、これはたいへんだとか、はやくまちへいってほうこくしないととかはなして、どこかにいっちゃった。こわいひとではないみたいだったけど、こわかった。

ぼくとるーはずっとかくれてたら、またべつのひとたちがいっぱいきた。

かたちのちがうほそいぼう?みたいなのをもっているひともいた。

なにしてるのかわからなかったけど、そのひとたちはぼくたちがはいっていたはことそのまわりをみてまわってた。

そのなかのちいさいおんなのひとがなにかをいったあと、ぼくたちのほうをゆびさしながらちかくにいたおおきいおとこのひとにはなしかけた。おおきいおとこのひとは、おんなのひとにうなずいておおきなぼうをもったままこっちにちかづいてきた。

どうしよう……みつかっちゃう…!にげなきゃ!

そうおもったけど、こわくてからだがうごかなかった。るーもぼくとおなじみたいだった。

はやく、はやく!とおもってたら、おおきいおじさんはもうめのまえにいて、てをのばしてきておれとるーをつかまえた。

そのときになって、やっとからだがうごいたからがんばってにげようとしたけどぜんぜんだめで、おんなのひとのこえがきこえたとおもったら、めのまえがまっくらになった。

そのあと、めをあけるとしらないばしょで、るーといっしょにしろいふかふかなぬの?のうえでねてた。るーはぼくよりもさきにおきてたみたい。

ここがどこなのかわからなくて、るーとくっついてたら、しらないおとこのひとがふたりとおんなのひとがはいってきた。おとこのひとひとりとおんなのひとはぼくたちをみるとわらって、よかったっていってた。

でも、ぼくたちにちかづいてくるからこわくて、ぼくたちはにげた。つかまらないようにがんばってにげたけど、せまいからにげられなくて、だから、ふたりでかくれた。

ぼくたちがかくれたところをみていたのに、さんにんはぼくたちをつかまえないで、そとにでていった。

なんかいかおんなじおとこのひととおんなのひとがきたけど、ずっとかくれてた。

またしばらくして、おんなのひととおとこのひとがきた。おんなのひとはぼくたちにちかづいてはなしかけてきて、てをのばしてきた。つかまえられる!とおもって、ぼくとるーはそのてからにげて、でくちにむかってはしった。

そとにでられればだいじょうぶ。そうおもってはやくはしったけど、でくちのまえでなにかにぶつかってたおれた。

びっくりして、たおれたけどがんばってうしろににげた。

なににぶつかったのかわからなくて、るーとくっついてすわりこんでふるえながらもまえをみたら、そこにはみたことないおとこ?のひとがいた。

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