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異世界で子育てはじめます。  作者: 夜涙時雨
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3.異世界について

「俺が異世界に転生したということは分かりました。それならば、俺はこれからこの世界で暮らしていけば良いのですか?」

『ああ、そうなる。だが、そんなに早く受け入れられるものか?普通ならば混乱し、怒り狂ってもおかしくはないというのに……』


まあ、普通ならそうなのかもしれない。でも、起きてしまったことはどうしようもないのだ。

生きていれば過去に戻りたいと思ったことが何度かあるものだ。

でも、願った所でできるわけもない。それこそ、神の領域だ。

ならば、気持ちを切り替えて前に進んで行くしかない。


『……まあ良い。お前が納得しているのならば我からは何も言わん。受け入れる覚悟ができているのならば、これからお前が生きていく上で必要な話をする。この世界についてだ。覚悟はいいな?』

「…はい、お願いします」

『では、目を瞑れ。これからこの世界についての知識をお前に授ける。膨大な量になる。混乱するだろうが、そこはこちらで調整しよう。目を瞑ったら頭の中に意識を集中させよ』


ふぅ…と、一息ついてから神様が言った通りに目を瞑り、頭の中へ意識を集中させた。

すると、ぶわっと自分の知らない膨大な知識が頭の中へ入り込んできた。

頭が痛くなりそうな量だ。でも、そうならないってことは神様が調節してくれているのだろう。

頭の中に入ってきた知識は、この世界で生きていく上で必要な知識ばかりだ。

まず、この世界は地球と違って魔法というものが存在している。

生活の基盤としてなくてはならないのが魔法。地球でいう化学が魔法として発達しているということだ。

魔法を使用するには魔力が必要であり、また、魔力がなければ生きてはいけない。

魔力は人や動植物、生きる者ならば全てが持っているものであり、自然にも存在している。空気中にも魔力があり、それを呼吸をする度に体内に取り込んでいる。要するに、酸素の様なものだ。

また、人は動物や植物を食べることでも魔力を体内に取り込むことができる。

しかし、魔力量は個人によって違う。魔力量によって使用できる魔法にも制限がある。

体内に魔力を貯めておくことができる器が存在し、その大きさによって魔力量は決まるらしい。魔力量が0という者はいないが、魔力量が少ないと使用できる魔法は限られ、魔力量が多ければ多い程威力が高く、様々な魔法を使用できる。

だが、稀にその器以上に魔力を使うことが出来る者が存在する。自分の器からではなく、自然に存在する魔力を吸収し、魔法を使用することができる者だ。

その者は、魔力を貯める器は存在するが貯めておくことができない体質で、常に魔力を取り込み体内で循環させて外に排出しているらしい。

神様によると俺はこの稀な体質を持っているみたいだ。

魔力を貯めておくことができないので、常に魔法を使っているような状態なのだそうだ。だから、体の一部であるかのように自然に魔法が使えてしまう。

所謂、チートというやつだ。

まだ魔法を使ったことがないから全然実感はないが、この世界で生きていくためにそんなチート能力を俺に与えてくれたみたいだ。

因みに、戦闘能力も高くしてくれたらしい。戦わなければいけない状況になれば自然と体が動くと言われたが、そんな経験はしたことがないため想像できない。

ありがたいような気もするが、魔法も使えて戦闘能力も高いとなれば何か人間辞めてるような気もしてくる。

ないよりは良いだろうと思って、深く考えることは放棄した。


そして、この世界には様々な種族が存在する。

人間族、エルフ族、ドワーフ族、獣人族、天族、魔人族の6種族がいる。

人間族は1番数が多く、魔力・戦闘力は他の種族と比べると劣るが知力が高い。エルフ族は別名耳長族とも言われ耳が尖っており、男女とも外見が美しく年齢不詳な見た目をしており、魔力が高い者が多く特に植物や風に関する魔法を得意とする。ドワーフ族は身長が低く、大人でも人間の子どもと大きさはほぼ変わらないが、とても力が強く器用で建築や武器を創ることを得意としている。獣人族は、動物と人を掛け合わせた見た目をしており、どの動物を祖先に持つかによって身体能力は変わるが飛び抜けて戦闘力が高い。天族は白い翼を持っていて、皆美しく天使のような姿をして癒しや光に関する魔法を得意としているが戦いを毛嫌いしており、ほとんど他種族と関わることがなく、姿を見せないため幻の存在だといわれている。魔人族は天族とは真反対で闇に関する魔法を得意とし、戦いを好むが天族を忌み嫌っている。

この世界では、種族ごとに国を築いており、その中でも人間族は人間族の中でも更に国を築いている。

表面上は種族関係なく、友好を結び共存しているが、過去には迫害にあったり、戦争を起こしたり、奴隷として扱われていたり等の歴史背景があり、まだその名残りがある国も少なくない。

特に人間族の国では、他種族関係なく共存して暮らしている国もあるが、他種族を差別し、奴隷として扱っている国もある。

種族の中でも奴隷として扱われるのは、エルフ族や獣人族が多い。

そのため、人間族を良く思っていない種族はエルフ族と獣人族を筆頭に多い。

地球で暮らしていた頃は、確かに昔は人種差別や奴隷として扱っていた歴史は存在した。現在進行形で差別行為をしている人達は存在するだろうが、昔と比べたら減ってきていたし、TVや学校の教育として取り上げられることも多かった。

それに、日本で暮らしていた身としては、あまり人種差別とか奴隷に関しては実際に見た訳でも経験した訳でもないから、こちらの世界でそういうものがあるといわれてもあまりピンとは来ない。

実際に見たり、関わることがあったら違うのかもしれないけれど……。

もし、そんな時が来たら、それはその時考えよう。


しかし、他種族で敵対し合いながらも、皆共通しているものがある。それは、魔族という存在だ。

魔族は魔力溜まりから生まれる。魔力があるこの世界では魔力が溜まり、濃度が高くなった場所を魔力溜まりと呼び、魔族はそこから生まれ、人々を襲う。

魔族は魔力を喰らって生きる。そのため、魔力を持つ人を襲う習性があるのだ。

魔族は動物であったり、植物であったりと様々な姿形をして、魔力とはまた違った穢れた魔素を纏っている。ただ唯一として人の形はしていない。

昔は魔人族も同類だとされていたが、魔族は魔人族と似て非なるもの。

なぜなら、魔人族は闇魔法を使うが穢れている訳ではないからだ。

穢れた魔素を持つものが魔族であり、全ての種族の敵である。

動物の姿をしていたら区別がつかないのでは?と思ったが、神様によると穢れを纏っているから見ただけで違いはすぐにわかるらしい。子どもでも分かると言われてしまった。

神様が言うならばそうなのだろう。

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