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ソーマジック・サーガ ~異世界と地球を紡ぐ物語~  作者: 渡邊渡
第一章:はじまりの物語
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第1話 ゲームクリア、そして始まる物語

10年ほど前から構想していた物語をまとめました。ぜひお読みいただければと思います。

その日、俺はついにクリアした。


レベル100のダンジョン、そして最後のボスを撃破、伝説の宝玉を手に入れた。


3人の仲間とともに、難攻不落と言われたこのゲームをクリアしたのだ。同窓会も合コンも断り、このゲームにすべてをかけた時間が遂に実ったのである。特に最後の10階層は何度も心が折れそうになった。それでも「アレ」を手に入れるため、すべてを犠牲にしてきたのだ。


このゲームは昨年発売されたオンラインRPG「ソーマジック・サーガ」。


剣と魔法のソード&マジックを駆使して他の星からの侵略者から自分たちの星を守り、敵のボスを倒して英雄を目指す本格アクションRPG。多彩な魔法と武器を使った攻撃、そして魅力的なキャラクターとアイテムが人気のゲームだ。


まったく無名の国内メーカーが発売したゲームだが、莫大な宣伝費と有名人を使った広告戦略で瞬く間に広がった。そして、そもそも基本無料ゲームであるにも関わらず、課金システムはごくわずか。採算度外視ともいえるゲームだが、その完成度は歴史に残る作品と言えるだろう。


そういった入りやすさから、国内だけでも最高で1000万人がプレイしたといわれている。雰囲気的には、日本を代表するRPGの要素が多く含まれているが、このゲームにしかない要素もあり、何よりもリアルな異世界という雰囲気がいい。しかしこのゲームの人気は長続きしなかった。とにかく難易度が高かったのである。


レベル上げの難しさ、多彩な技とアイテムの使い方、そして容赦ない敵の強さ。プレイヤーは徐々に淘汰されていったが、やりこみ勢や本格的なゲーマーはむしろその難易度に発奮し、最後のイベントと言われた「伝説の宝玉」を探すクエストに挑戦していた。


イベントの参加は他のプレイヤーより遅れたが、コロナウイルスの影響で自粛モードがあったこともあり、俺は1日15時間をこのゲームに費やし、最後のクエストである「伝説の宝玉」を完全クリア。本当に長かったが、今は達成感で胸がいっぱいだ。


そこまでしてこのゲーム「ソーマジック・サーガ」の最難関ミッションをクリアした理由はただ一つ。このミッションをクリアすれば貰える「先着20名限定」のフルダイブ機能付きヘッドギア「リアル・ソーマジック・ギア」をゲットするため。


取説によれば、このヘッドギアを使えば、ゲームの世界へ実際に行ける体験ができるという。当時発表された時に話題となったが、実際の映像やデモ画面もなかったので、多くのプレイヤーは誰も信じていなかった。だが、俺はすぐに飛びついた。こんな素晴らしいものを逃してなるものかと。嘘か本物かなんてどうでもいい。そんなのはクリアすればわかることだから。


友人は「お前まだあれやってるの?」とバカにしていたが、俺は心の底から本気だった。そして今ゲーム画面に映る「Congratulation!」の文字。そして出てきた「クリア報酬のリアル・ソーマジック・ギアをゲットしますか?」の文字。答えはもちろん「YES」だ。


送付先、名前、電話番号などを書き込み、注意事項は例によって流し読み。そして最後の申し込みボタンをクリックし、これで手続きは無事に完了。到着までは約1週間とのことだが、今から待ち遠しくてたまらない。俺は感動と興奮に包まれながらも、疲労と睡魔に勝てず重い瞼を閉じた。



「リアル・ソーマジック・ギア」へつづく

最後までお読みいただきありがとうございました。誤字脱字、拙い文章かと思いますが、今後もお読みいただければ幸いです。

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