状況説明
ルティの記憶から再現した〝説明〟によると──
『……あの、バカ……!』
『ひっ』
お、お姉さん、すっごく怒ってる……!
ど、どうしよう……怒った時の母様と、そっくりのオーラ……怖いよぉ…………けど、綺麗な紅なんだよね……そういえば、お姉さんも綺麗なヒトだなぁ……ちょっと母様に似てるかも……えへ──あ、あわわわ、オーラが大きくなった……! どうしよう! どうする!? どうしたらいいの!?
──うん。とりあえず、おちつこうか。
詩鶴は映像だとわかっていながらも突っ込まずにはいられなかった。もちろん、口に出してはいない。
(……この子の母親って、夜叉姫だったのね……国際結婚か……)
いまだ亀のポーズでぷるぷるしているルティを視界に入れながら、現実逃避をしてみる。
(……夜叉姫と同等のオーラ……)
鬼神と同じ位置づけを喜ぶべきか、否か。……とりあえず、変化が解けた理由はわかった。
(……たかが人間の怒気に驚いてって……)
それこそ、夜叉姫にバレたら叱られるんじゃないだろうか。美人なだけに怒ると怖かったし……と詩鶴はかつての知人に思いを馳せた。
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