プロローグ
なろう初心者だから前書きって何書けばいいのかわからないよね。後書きとかは「アドバイスお願いします!」とか言えばいいけどさ。とにかく何書けばいいのかわからない。
だからなんか書くわ。
うんち!!
「……という話さ」
男は目の前に広がるホロスクリーンの向こうの椅子に腰掛けた女性に話していた。
緋色に染まった長髪を後ろで束ね、まだ未熟で幼げな顔立ちと体躯が目立つ彼女は少しうんざりとした表情を浮かべながら丸い深緑色の双眸で彼を見つめ返す。
「うん、知っているわよ」
「え、知っているの⁉︎なんで?」
女性の思いがけない一言に驚愕してしまう。
「だってこの話聞くのもう三度目よ」
「そうだったんだ……僕もボケ始めたのかもしれないね」
もう三度もこの話をしていたのか。
ちょっと早めのボケが来ているのかと自分でも不安になってくる。
「あなたのお話はとても面白いけどそう何度も聞かされると飽きてくるわよ」
彼女が面白がって聞いてくれるから話していたが、ここまで言われると落ち込んでくる。
なにか面白い話あったかな。
そう思考を巡らせ、なんとか他の話を思い出そうとする。
「だったらこの話はどうだい?僕の故郷の話なんだけどさ」
正直のところ、彼は故郷を一切覚えていない。ただ、この話だけは覚えている。
自分でも誰かに話された覚えもない話……それがふと思い出されて謎の懐古的な感情が心を支配していく。
「それは是非とも聞きたいわ!」
目の前のホロスクリーンに映る好奇心に取り憑かれた少女の声が鼓膜を響かせた。
するとついさっきまで支配していた謎の懐古感情はすっかりと消え去り、心を砂浜に打ち付けられた波のような静かな余波が波打っていく。
「君がそこまで食いつくってことはまだ君には話していなかったんだね。よかった」
「だってあなたが故郷の話をするなんて滅多にないことだもの」
「そうだったかい?」
「ええ、そうよ」
そうなると僕は無意識的に故郷に関する話題を避けていたらしい。
「それは本当にすまなかったね。これからはちゃんと話してあげるからさ」
「ん、許す。……それで?どんな話を聞かせてくれるの?」
軽く謝罪の意を述べて彼女の許しが出たのを確認する。彼女も今まで男が話してこなかった怒りよりも男がこれから話す話に興味が移っている様だった。
「今回の話は僕の故郷に刻まれた伝説みたいな話なんだけどさ……それが普通の伝説ではないんだよ」
彼女への軽いジャブのような煽り文句で彼女の好奇心を倍増させる。
「へえ、とても興味が湧いてくる煽り方ね」
彼女の双眸がより一層と好奇心で輝いているのが視認できた。
よし、成功だ。
「なんたって復讐から始まる英雄譚だからね」
「英雄譚ならなおさら‼︎聞きたいわ!」
英雄譚だと聞いた瞬間に彼女の食いつきがとてつもなく過激になる。
どうやら彼女は英雄譚が大の好物だったらしい。
「ものすごい食いつきだね!そこまで興味を持たれると僕も気合いが入っちゃうよ」
「早く早く!」
「それじゃあ……はじまりはこうしよう」
彼女に急かされながらも始まりの言葉を探す。探して見てもこの言葉しか思いつかない。
やはり、この言葉しかないのではないか。
「ある日魔女はこういった。私を殺せと。そして私を救えと」
「その呪いを聞いた彼らが出会うのは結局、彼らが彼らであるための宿命だったのかもしれない」
改稿しています。何かご指摘があればビシバシ!言ってくれれば幸いです。