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09 血濡れの女騎士
(貴方を守りたい 貴方と共に生きたい)
(ずっとその場に寄り添って いつまでも)
(けれど、それは叶わぬ願い)
(なぜなら貴方は……)
血濡れの女騎士は 今日も剣を振るう
駆ける戦場では 死神の様に鎌を古い
数多の命 刈り取っていく
「あれは死の使いだ」
いつしか戦場で恐れられるようになる程に
どんな美しい花でも 棘があれば触れられない
「触れれば必ず手ひどい怪我を負うでしょう」
だから誰も近づかないで、と
今日も剣が 振われ続ける
血の雨降り注いで 止まぬまま
「なんだ、今日は雨が降ってるのに暖かいのね」
そうして誰もいなくなった 戦場で
いつもと同じように 一人呟いた
(あなたと生きてく世界守るために)
(私は今日も剣を手にして駆け続ける)
(けれど、でもその……一番大事な貴方は……?)