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悪者ごっこ

「運が悪かったな男、この私が近くに居たのが運の尽きだ!」


ビシッと音がしそうな勢いで俺に向かって指を指す天使。


青い髪を後ろで束ねたポニーテールに警備隊の子達より装飾が凝った服装をしている。


まっすぐな瞳は俺に対して敵意を丸出しにして向けられている。


さて、どうしたものか。


既に俺の後ろにいたサチが物凄いオーラを出してるんだよな。振り向くのが怖いぐらい。


「あの、副隊長。この方はですね」


「お前達!無事だったようだな!今すぐこの悪漢を捕らえてやるので安心するといい!」


部下の子達の話すら聞く耳持たないのか。どうしたもんかな本当に。


「ソウ。早くこの思い込み娘をぶっ飛ばしたいのですが」


落ち着けサチ。あと、ぶっ飛ばしたいとか女の子が言うんじゃありません。


更にその後ろでは警備隊の子達が申し訳なさそうな助けて欲しそうな視線を送ってきている。


しょうがない、この勘違い娘を少しこらしめてやるか。


「なぁ、サチ。少しあの子で遊んでいいか?」


「はぁ、突然何を言い出す・・・いいですね面白そうです」


俺の言葉を聞いて怒りの形相からうって変わって悪い笑みを浮かべてる。


多分俺も同じような顔してるんじゃないかな。


「二人は黙って見ててくれ。サチは俺の人質になってくれ」


「は、はぁ」


「わかりました。任せてください」


よくわからず返事をする二人に対してやる気に満ちた返事をするサチ。頼もしいわ。


「何をこそこそと話している!こっちを向け!」


それじゃ始めるとするかな。




「警備隊の副隊長とか言われてたな」


最近頑張って身につけてきた威厳をどうにかこうにか出しながら副隊長を見る。


「そうだ。私は警備隊副隊長ルシエナだ。覚悟しろ!」


「ふむ、この状況を見てもその威勢は続くかな?」


再び俺に指を指してきたので、俺はサチの腰を引き寄せて見せ付ける。


「あっ」


お、その声と表情いいぞ。人質感が出てる。


「この通りこの女は俺の手の内にいる。それでもいいのかな?」


「くっ、なんと卑劣な。しかし、その程度でこの私が引くとでも」


「この女が誰だかわかっていないのか?」


「ん?・・・なっ、まさか!?サチナリア様!?」


「そうだ、その通りだ」


更に強く腰を引き寄せ見せ付ける。


「んぅ、や、やめてください」


サチさんや、名演技なんだが何か耳元でそういう声出されると変な気分になるのでそこそこにして欲しいな。


「・・・何が目的だ」


「何故それを言わないといけないんだ。おっと、変な動きはするなよ、この女がどうなっても知らないからな」


「くっ」


「さぁ武装を解いてもらおうか。さもなくば・・・」


「わ、わかった。しばし待て」


うーん、こうも上手く行くとは。面白すぎる。


ルシエナが武装を解除している間にサチに小声で話しかける。


「相手に強制的に服を着させる事ってできるか?」


「私なら出来ますね」


「よし、じゃあオアシスの街の服情報を出してくれ」


「わかりました。それにしてもノリノリですね」


「サチもな」


相手に見えないように小さいパネルを出して操作してくれる。


さて、何が似合うかなー。

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