マッサージ
さて、今日はー。
「休みますよ、ソウ」
あ、はい。心得てます。
そんながっちり掴まなくても逃げないから。
「うぉぉぅ・・・」
いかん、変な声が出てしまった。
帰宅後直ぐに布団に連れて行かれてまた無理やり寝かされそうになったので、譲歩案を出した。
それが今やってもらっているマッサージである。
そもそも神の体なのでこのようなことをして貰わなくても健康体なのだが、健康体だろうがなんだろうが気持ちいいものは気持ちいい。
「もうちょい体重かけても大丈夫だぞ」
今は足の裏を踏んでもらっている。
最初指でやってもらってたのだが思った以上に力が無かったので踏んでもらう事にした。
オアシスの街にはただ踏んでもらうだけで悦ぶ輩もいそうだが、残念ながら俺はそういう趣味も性癖もないのでちゃんと指示している。
「これで本当に気持ち良いのですか?」
俺の足の裏を踵で足踏みするように踏みながらサチが聞いて来る。
「うん、いいぞ。今度は脹脛を踵のほうから上になぞる様に、うん、そうそう」
サチの理解力の速さはこういう時でもありがたい。
あと足の裏もスベスベなんだよねぇ。いかんいかん、何かに目覚めるところだった。
しかしサチの顔を見ると理解し難いと言った表情をしている。
マッサージの良さならサチは分かっているはずなんだけどな。
あー俺がいつもやっているのは特定部位だけだからイコールにならないのか。それならしょうがない、うん。
仕方ない、後でお返しにやってやるか。
脚、腰、背中とやってもらった後、今度はサチにうつぶせに寝てもらった。
「あの、私は結構なのですが」
「まぁそう言うなって。良さが分かってないみたいだったからお返しお返し」
「むぅ、優しくしてくださいね?」
「おう」
言い方がずるい。優しくせざるを得なくなってしまったじゃないか。
元々痛くするつもりはないけどさ。
とりあえず心臓に遠い足から始める。
サチが不安そうにこっちを見ていたが、俺は乗らずに指圧でやるから安心するといい。
スベスベした肌を堪能しながら足裏を押していくがやはり健康の足裏をしている気がする。
人の頃に自分の足裏を押してみた時は痛かったり血が淀んでる感じがする場所があったりしたのだが、そのようなものは全く無い。
指先まで一通り指圧して踵、脹脛、太腿と順にマッサージしていく。
尻は飛ばして腰、背中、手の指先から順に二の腕。
肩は指圧すると揉み返しが出やすいので手のひらで軽くさするぐらいで済まして終わり。
「どうだ?」
「ぅぁー・・・」
顔を見ると目がとろんとして肌がほんのり赤く染まっている。
「おーい、サチー」
「・・・はっ。お、おはようございます」
寝てたのか。気持ちは凄く分かるから慌てなくて大丈夫。涎は拭いた方がいいな。
「で、どうだった?」
「あ、はい。とても良かったです。心なしか身体が軽く感じます」
健康体でも若干の効果はあるみたいだな。よしよし。
「じゃあ続きだな」
「え?」
俺としてはこれからが本番。尻と胸を重点的にマッサージさせていただきます。
「あの、ちょっと、これって本当にマッサージなんですか?あっちょっそこはっ」
血流が良くなってたからなのかいつもより感度が上がってる気がした。




