好かれる要因
「あー・・・やっと帰れる」
「そうですね・・・」
俺もサチも大半の神々が帰った会場でぐったりしていた。
犬猫の二神の後も色んな神と挨拶を交わした。
人型の神は大体似た挨拶方法なのだが、それ以外の神になると挨拶の一つでも違ってくるから中々思考が追いつかなくて大変だった。
そういえば生理的に受け付けない奴って居なかったな。
日々の心構えのおかげだったら嬉しい。
「キ!」
お、案内鳥が迎えに来てくれた。
「キー・・・」
「あぁ、うん、大丈夫大丈夫。ちょっと疲れただけだから」
「キ!キェー!」
俺の様子を気にしてくれたが、大丈夫なのがわかったのが早々に転移してくれた。
「今日もありがとな。また頼むよ」
鳥は頭撫でられるの好きなのを思い出して人差し指で軽く案内鳥の頭を撫でてやる。
「キュインキュイン!」
喜んでる。可愛い。
「キ!」
満足したのか案内鳥はくるっとまわった後帰っていった。
「さて、俺らも家に帰ろうか」
「はい。そうしましょう」
サチがぎゅっとつかまって来る。
うーん、今日は余り接してなかったせいか凄く久しぶりに感じるな。
サチと触れ合っている事が日常になってたんだな。
夕飯後。いつものゆったり時間。
「ソウ、ちょっと手を見せてください」
「手?別にいいけど」
サチの前に手のひらを差し出す。
「・・・ふーむ・・・」
じっと俺の手を掴んで凝視する。
「どうしたんだ?」
「いえ、少し気になりまして」
ん?何がだ?
「ソウが握手した人や撫でた人は総じて好印象を持っているので、この手に何か不思議な力でも宿っているのではないかと」
え?そうなの?
いや、しかしそれならあの会合での状況も理解できる。
「思ったのですが、気のせいでした」
気のせいかよ。違うのかよ。
「特に変わった事はなしか」
「そうですね、神様としての力は感じますがそれは全身からですし、手から特別何かを感じるという事はないです」
よくよく考えれば触れてない人からも挨拶貰ったりしてたしな。
俺がぼんやり今日の事を思い出している間もサチは俺の手を指でなぞったり頬ずりしたりしている。
「あむっ」
「・・・なにをしてんだ?」
ついには咥えられた。
「あひもみへほほふはほ」
味も見ておこうかと?しないだろそんなもの。
別の指を咥えても違いは無いだろ。
直ぐに飽きて離すだろうと思ってたらその後もサチは舐めたり吸ったり甘噛みしたりして堪能している。
「なぁサチ、楽しいか?それ」
「んー・・・うん」
そ、そうか。それならしょうがないな、飽きるまで付き合ってやるか。
結局俺の両手の指先が真っ白にふやけるまで咥えられ続けてしまった。




