天界生活始まる
翌朝。
昨晩は色々あった。
まず晩飯が質素だった。
出されたのがお茶と数粒の丸薬のようなもの。
味は苦いとかではなかったものの、前の世界での食事を考えるとがっかりすぎる。
聞けば天使の食事は基本こんなものらしく、物好きが料理をする程度らしい。
庭の菜園もその物好きの知り合いが貧相な暮らしを見かねて作っていったとか。
うん、俺も同じ事考えるな、きっと。
次に風呂。
悪い方の予想通り無かった。
無いというよりこれも必要性の無さで、念じれば綺麗になるらしい。
実際サチにやってもらったが、肌とかツヤツヤになった。
便利だけど、やっぱり風呂に入りたい気持ちは消えない。
最後に就寝。
ベッドが一つしかなかったから床で寝ようと思ったら止められた。
押し問答はしたものの結局一緒に寝る事に。
うん、まさか俺自身もここまで我慢が出来ない奴とは思わなかった。
一応サチには再三確認は取ったが。
「問題ありません」
これの一点張りだったので理性は投げ捨てることにした。
その後いつ寝たかは覚えてない。
今はサチに起こされて質素すぎる朝飯を食べた後、お茶を頂いているところ。
ちなみに起こしに来たサチはちょっとモジモジしてて愛らしかったが、俺の生暖かい眼差しに気付いたらすぐにいつもの顔に戻ってしまった。うかつ。
「さて、今日から本格的に仕事開始か。頑張らないとな」
「はい、よろしくお願いします」
本心はもう少しゆっくりしたいし、もっと今の生活スタイルを良くしたくも思う。
だが神となったからには一応神らしいこともしなくてはな。