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実食と補習

他の班も見てまわって最後にルミナの班に戻ってくる。


ユキのところで試食したのを他の班の子にも見られてたせいか、班の中で一番良い出来のを試食する流れになって戻るのに時間が掛かってしまった。


「随分盛り上がっていましたね」


「あぁうん、ちょっとね。こっちも出来たか?」


「はい!ばっちりです!」


「よく言います。私の方が上手く出来ましたよ、ソウ」


ルミナとサチがそれぞれ出来たシャーベットを見せてくれる。


「ちなみにこの班で一番出来がいいのは?」


「・・・」


無言で他の班員の子を指差すサチとルミナ。


だよな、どう見てもこっちの子の方が出来が良い。


「味見していいかな?」


「はい、どうぞ」


「ありがとう」


一口貰い、味見。


うん、他の班を見て来て思ったが、やはりユキだけ飛び抜けてる感じがする。


いや、他の子も見込みはある子もいたし、そのうち開花する子も出てくるかもしれないな。


「むー、私もソウ様に味見して貰いたかったなー」


「くっ、私は家で見ていたはずなのに・・・」


サチとルミナはそれぞれ恨み言を言ってるが今回は残念だったな。


「ごちそうさま。次も頑張って」


「はい!ありがとうございます!」


サチとルミナの視線が刺さるが気にせず試食させてもらった子に礼を言ってから部屋の皆に言う。


「それじゃ後は各自で食べてみてくれ。自分のやつもそうだが班員のと食べ比べてみるのもいいぞ」


言い終わると同時にみんな一斉に食べ始める。


そして半数以上が頭を抱えて悶絶し始める。


「・・・ぶふっ」


はいはい、サチさんはコレが見たかったのね。


その肩を震わせて笑っているサチの隣のルミナは平然とシャーベットを食べている。


「ルミナは頭痛くならないのか?」


「なってますけど、この程度どうという事はありません」


た、耐えながら食ってるのか。


想定外の回答に笑ってたサチも驚いてルミナの方に振り向いてる。


「ルミナ、味わかるか?」


頷いてる、わかってはいるのか。


「急いで食べるのもいいけど、ちゃんと今回の反省点を考えながら自分のを食べないと次に生かせないからな」


はっと何かに気付いたようで動きが止まる。


「ぐるっと見て来たけど既にルミナより二歩三歩先を歩いている子もいたが、さて、ルミナはどうする?」


「あ、味合わせて頂きます」


半分ほど減ったシャーベットに再び向かい合って今度はゆっくり食べている。


うんうん、ん?サチがこっち見てる。


「なんだ?サチ」


「いえ、せっかちなルミナテースを落ち着かせるとはやりますね」


「そうかな。出来れば落ちこぼれを出したくないだけだよ」


「えっ、ソウ様?それって実は私って下の方ですか?」


会話を聞いていたルミナが食べるのを止めて聞いてくる。


「あ、うん、実は。サチも実は下から数えた方が早い」


「そ、そんな・・・」


二人してショックを受けているみたいだが事実だからしょうがない。


「そんな落ち込むなって、最初なんだし。何だったらこの後補習でもするか?」


「是非!」


お、おう。ルミナはともかくサチ、お前まで来るか。圧が凄いぞ。




食後、補習組と自習組で分かれて再実習になった。


自習組はユキをはじめとした上手く出来た人が二種の果物で作ったりあれこれ意見の出し合いをしている。


それに付いて行けない人が補習組に集まっている。


ルミナやサチ、他数名の下から数えて早い子は実技補習。


それより上の子は見学しながら質問や雑談。


どっちも自由参加なので双方を行ったり来たりしてる子もいる。


何にせよ料理に対してみんな前向きに取り組んでくれている事が嬉しい。


ほら、ルミナは力任せにやらない。


サチは慎重にやりすぎ。


うん、そこの子、凍らせるのに失敗しても諦めない。どうにかする方法あるから。


え?自習組で四角く一口サイズにしたのを作ってる?


発案者は?ユキか。あいつホント凄いな。


結局結構長い時間料理教室をしてしまった。


夕飯入るかなぁ。

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