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立ち振る舞い方

家に帰るとアストから荷物が届いていた。


ふむ、前回頼んだものと同じものが多いな。


新しいものは手間取ってしまうから先に出来るものだけ送ってきた感じか。


「現在職人仲間と相談しながら製作に取り組んでいるようです」


「そうか。何か礼の品を、いや、期日は設けないので存分に腕を揮って欲しい、期待している。と返しておいてくれ」


「わかりました」


この前ユーミに言われて気付いた事がある。


俺は俺なりの、神なりの立ち振る舞いというものを少し身につけなければならないようだ。


物で感謝を表す方法もあるが、彼ら職人であればこのような言葉の方がいいと思う。


俺がこの世界の命運を握っている以上、立場が上であることは避けられない事実だ。


ならば上の者なりの感謝や気遣いを見せる方が喜ばれるのではないかと。


ま、身近にいい手本がいるから見習わせてもらおう。


「ソウもなかなか彼らの心をくすぐるのが上手いですね」


「ふふふ、俺も日々進化してるんだよ」


「その調子で頑張ってください」


「あぁ。でも慣れてない事だから何か間違ってたらすかさず訂正してくれ」


「わかりました。それで今日はどうします?」


「早速これをルミナのところに届けよう。早いに越したことはない」


「了解です。収納次第転移します」


さーて、今日はお料理教室だな。




「サチナリアちゃーーーん!」


農園の建物の前でいつものお迎え。


「みんないつも迎えてくれてありがとね」


「いえいえ、教わる身ですからこのぐらいはさせてください」


ルミナは放置して後ろの天使達と挨拶を交わす。


「ちょっと、ソウ!くっ、これは、あんまりじゃ、ないですか!?」


ルミナの抱擁突撃を避けながらサチが悲鳴を上げている。


「今日のサチナリア様はなかなかしぶといですね」


「ルミナが手抜いてるからだろ?」


「わかりますか。あのぐらいのルミナテース様なら私達でも勝てますね」


「そうね。あ、一段階身体能力を上げましたね」


「あ、あー、捕まっちゃった。いいなぁサチナリア様の肌柔らかそう。私もすりすりしたい」


「それは勘弁してやってくれ。多分泣き出すから」


「そうなんですか?それはそれで見てみたい!」


「見たい見たい!」


「ちょっと!貴女達!見ていないでこの怪力上司を止めてください!」


天使達と並んで様子を見ていたが、ルミナがトリップし始めたので皆で止めに入った。




「それでは本日の座学を始めます」


メガネをかけて差し棒を手の上にぺしぺし当てながらサチは調理室内の皆に言う。


オアシスの街の影響なのか前よりなりきり具合が増してる気がするんだが気のせいだろうか。


さっきまで助けるのが遅れた事にプリプリ怒ってたが、今日はシャーベットアイスを作る事を伝えたら許してもらえた。


その時の悪い笑みたるや他の人には見せられないものだったが。


座学の内容は冷やして固める事とシャーベットの作り方。


包丁の数に限りがあるから今日から班を組んで本格的に実習開始するようだ。


俺は待ってる間に作ってもらってた小麦粉の出来栄えの確認をしている。


ふーむ、結構差があるな。


とりあえず簡単に粗いのと細かいのの二つに分けておこう。


どっちがいいというわけではなく、それぞれ用途があるからな。大事に扱おう。


あ、講義終わった?あいよー。


んじゃ手本のシャーベット作りますか。

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