今いる世界
勉強方法は質疑応答形式。
俺が知りたい事を聞くと四人のうち誰かが答えてくれる。
必要があれば画像を空間投影もしてくれるようだ。ハイテク。
「じゃあ世界についてからかな」
本当に色々わからんからな、とりあえず今生活している空間について知りたいんだよな。
「しょ、少々お待ちください」
ん?メイド三人が離れてコソコソ相談し始めた。
「どどど、どうしましょう」
「アリスさん、これは我々を試しているのではないでしょうか」
「二人とも落ち着いて下さい」
なんだ?どうした?
「はぁ・・・ソウ、質問の仕方が意地悪です」
「え?」
「そんな抽象的な質問をされても困るのが普通です」
「あ!あぁ、そうか。すまんすまん、三人とも戻って戻って」
手招きすると申し訳なさそうにメイドたちが戻る。
「質問の仕方が悪かった。俺が聞きたいのは今居るこの世界、なんだっけ、なんとか空間」
「上位天使の生活空間」
「それ。概要でいいから教えてくれ。あと上位天使ってのも」
「かしこまりました」
お、これなら大丈夫そうだな。
メイドが正面から退くと下界を見るときと似たような空間投影パネルが出現する。
「では説明します」
「うん」
画面の下部に地面の上に小さい建物や山や森、中部に雲と雲の上に建ってる建物、そして上部に雲と浮遊島。
ただ、中部と上部の間に二本線が入ってて上側が点線になっている。
「俗に下界と呼んでいる部分がこちらになります」
シンディが指先からビームポインタのような光を出して画面の下部と中部を円で囲む。
「下の部分は地上なのはわかるが中央のはなんだ?」
「下界の天界です」
「下界の天界?」
「はい。下界には様々な種族が居ますがその中に天使という種族がいます」
「うん」
「その天使種が生活しているのがこの部分の天界と呼ばれる部分になります」
「う、うん」
ややこしくなってきた。
「今旦那様がいらっしゃるのはこちらになります」
今度は画面上部を円で囲む。
「その二本線は?」
「下界との境界です。ここと下界では次元が違うのです」
「次元・・・」
わけわかんなくなってきた。
「簡単に別世界って思えばいいと思います!」
ユーミがフォローしてくれる。なるほど。
「主様ならご存知だと思いますが、下界が下位、こちらが上位です」
うん、だろうな。時間止めたりしちゃってるもんな。
「ん?でも天使はこっちもいるよね。どうやって行き来してんだ?」
「いえ、していません」
「ん?どういうこと?」
「下界の天使種はこちらで下位天使と呼ばれてます」
「サチは上位?」
「そうです。一緒の天使種と考えない方がいいですよ。嫌悪する人もいるので」
当たり前と言わんばかりの顔をされた。
「わかった、肝に銘じておこう」
怒られそうだし。
「まとめるとだ。俺の今居る空間は俺が神として見ている下界とは別次元にあって、その中にそれぞれ天使がいるってことでいいのか?」
「はい。その認識であっています」
「俺が下界を見てる場所もその上の生活空間にあるのか?」
「いえ、ソウの仕事場はその二重線の間、そこです、ここにあると思ってください」
サチが指差すとそれをシンディが察して二重線の間に光を当ててくれる。
「この上が点線になってるのは?」
「ここには上位天使側の一部の方だけ行き来が可能という意味です。残念ながら私達天機人はいけません」
ユーミが肩を落としながら言う。
「そんな事はありませんよ」
「え?」
「神様の承認があれば可能です」
「そうなのですか!?」
サチの言葉にユーミが食いつく。
アリスやシンディは無反応だな。
「ソウに頼めば行けるようになると思いますが、オススメはしません。無が広がる空間なので」
「あー確かに何もないな」
集中することはできるが好んで居たいとは思わないな。今居る空間の方が好きだ。
「そうなのですか。アリスさんが止める理由がわかりました」
「でしょう。私達の存在意義がありませんからね」
心からメイドなんだな、彼女達は。
しかし、うーん、将来的に俺とサチだけじゃ下界管理厳しい気もするんだよな。
その時はその時で考えるか。
「話の流れついでですまんが天機人についても軽く教えてくれるか?」
「私達ですか?」
「うん、折角だし」
「かしこまりました。では、少し休憩を入れてからにしましょう」
こういうとき茶は出るが茶菓子とか出ないのがこの世界の残念なところだな。
どうにかしたいところだ。




