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農園

転移した先は大きな農園の入り口。


一瞬目を疑ったが眼前に広がる、正直果てがどこにあるかわからないレベルの田畑の規模に驚く。


「ここは?」


「農園です。物好きな知り合いがやってるのでここで色々分けてもらいましょう」


スタスタと中に入っていくのでそれに付いて行く。


「分けてもらうっていいのか?」


「大丈夫です、きっと彼女も喜んで分けてくれます。不本意ですが」


サチの歩く速度が心なしか早い。


怒ってる?困ってる?よくわからん。不機嫌なのはわかる。


暫く歩くと遠くから猛スピードで近づいてくる人影が見える。


「サチナリアちゃーーーん!」


両手を広げて走ってきたそれは途中でジャンプしてそのままダイブしてくる。


そしてそれを最小限の動作で避けるサチ。


そのまま地面に突っ込むかと思ったら空中で一回転して華麗に着地。


「ひさしぶりーーー!」


サチに向かって再び両手を伸ばす。


サチはそれを払う、再度伸ばす、払う、伸ばす、払う。おお、凄いラッシュ。


「あーもー鬱陶しい!」


サチが大きく手を払い、距離をとる。俺を盾にするな。


不機嫌な原因はこれか。


「それで、そちらの殿方は?」


品定めするような視線だが気にせず相手を見る。


銀髪で出るところはしっかり出て、くびれるところは綺麗にくびれてる豊満な女性。


サチよりもう少し背が高く大人びた雰囲気はするが、着ている服が完全に農作業着なので農家の若奥さんという印象。


多分この人も天使なんだろうけど羽出してないのでわからない。道走ってきてたし。


「こちらはソウ。私が仕えている新しい神様です」


「どうも」


こういう紹介されたことがないので少し照れる。


「神様!?」


紹介を聞いて銀髪の女性は急に慌て出し、念じたかと思ったら着ている服が輝いてサチが着ている服に似たデザインの服に変わる。


「神様とは知らず、とんだ無礼お許しください」


片膝を付いて祈るように謝罪する女性。この服は正装なのか。


「えっと・・・」


「彼女はルミナテース。私と同じ上位天使でここの農園をやっている物好きです」


「物好きってそんな紹介しなくても・・・」


困ってサチを見たら紹介してくれた。


悲しそうにこちらを見上げるルミナテースにサチは勝ち誇った顔をしてる。


何となく二人の関係がわかって来た気がする。


「ルミナテース、ソウは余りそういうかしこまった事は好まないので普段と同じように振舞ってください。いいですよね?」


「ああ、そうしてくれ」


事後承諾なのはどうなんだろうか。俺を理解してくれてると考えよう。


「ですが・・・」


「もう農作業着姿も見られているのですから今更取り繕っても無駄ですよ」


「うぅ、わかりました」


仲いいなぁ。


「改めまして、ルミナテースです。はじめまして神様」


「よろしく、ソウと呼んでくれ」


「わかりました、ソウ様」


立ち上がって握手を求めて来たので応じた。


うん、農家の手だな。

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