しょうがくせいのころ
小学1年生になってから
父がいたりいなくなったりしていた
なんでだろう?お仕事かな?なんて
不思議に思っていたけど
帰らない日が続き、しばらくして戻ってくる
そういう生活にだんだん慣れてきた頃
小学校から帰ると
リビングに父と母が揃っていた
「あのね。パパの心が風邪を引いちゃってね、
元気な時はおうちにいて、
風邪がひどい時は入院しているの。
パパもつらいから、分かってあげてね」
母は私に
父の今の現状を「心の風邪」と伝えた。
「心も風邪引いちゃうんだね、パパつらい?」
「うん、つらい。だから病院で治してもらって
元気になってからましろちゃんのところに
戻ってきてるんだよ」
そんな風に父とも話して。
へえ、心にも風邪があるんだな、なんて
まだ良く分からないけど納得してた。
「心の風邪」は厄介な病で
退院している間も父はすぐに怒る
怒れば手を付けられなかった
私は父の顔色を伺う子供だった
常にびくびくして生活した
それでも急にスイッチが入って怒鳴り散らし
部屋に閉じこもった
父の顔色を見ること中心に生きていた
風邪のせいだから仕方ない。
そう思っていたような気がする
いつか治る、それまでだとも。
子供ながらに気を遣う生活だった
だけど「心の風邪」は
もっと成長してから知ったことだけど
躁鬱病 という精神病らしかった