プロローグ
どうして俺は生まれて来てしまったのだろう…。
俺が町中を歩いて居ると子供がこちらを見てくる。
『こら、あれは見ちゃダメよ!』
子供の近くに居た母親はそう言う。しかし、子供はどうして見てはいけないのか、よく分からずこう言う…
『どーして?あの人助けてあげないのー?』
しかし、母親はこう答える…
『いいのよ!関わるとろくな事にならないのだから!変な人には無闇に近付いちゃダメよ!』
子供は母親の意見には逆らえないようで肯定する様に『はーい』と素直に答えた。
ーーー
『く、来るな!こっちに来るな!ば、バケモノめっ!』
『バケモノ…?』
『あ、あぁ、お前どっからどう見てもバケモノだろ…。』
『僕はバケモノじゃない…バケモノじゃなあぁぁぁぁぁぁーーーーーい!!』
バーーーン!ビチャッ…。
『あぁ、また…。うぅ…。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい…。』
ーーー
『オマエ、チカラ、ホシイカ?』
『だ、誰?』
『チカラ、アレバ、フクシュウ、デキル』
『だ、誰なの?』
『コタエロ!チカラ、ホシイカ!』
『ほ、欲しい!僕の両親を殺した人間が憎い!そいつを殺す!チカラが欲しい!』
『フフフ、ナラバ、クレテヤル、チカラヲ』
ーーー
『僕は何故ここに居るのだろう…。僕はどうしてバケモノに…。』
そう独り鏡の前で呟いた。