俺の家で女子二人が...
「あっっ、あんっ、あー、気持ちいい、もっともっともっとして、あー、もう、もうらめー」
男子が女子を襲うシーンだ。
アニメのヒロインの顔が赤く、唾液が出て気持ち良さそうな表情をしている。
俺たちは春アニメのエロ枠で放送されているアニメを見ていた。
ここは俺の家、ポスターが部屋の壁一面に張り巡らせていて、どれも美少女ばかりだ。フィギュアや本棚に入っているラノベや漫画の数々、いかにもオタク部屋、普通の女子が家に来たら「さようなら、あなたとはもうこんりんざい話せません」なんていうんじゃないか。
凛音、明日香がこのアニメに釘付けだ。
「ちょっと変えない?俺もう耐えられないんだけど」
目を閉じて耳から声が聞こえるので耳をふさぐ、頭の中を真っ白にして必死に耐える。
「ダメだよ、今いいところなの話しかけないで耐えられないならそこにいい性奴隷がいるじゃないそれで発散しなさいよ」
ここで今アニメで(規制あり)やってることをここでやってもいいのか凛音は。
これ男子が見るアニメだよな。
なんでこいつらがここまで釘付けなんだ。
「ダメでしょ、いくらなんでも明日に対して性奴隷は酷すぎるよ⁉︎」
凛音の発言に驚きつつ明日香の方を見る。
恥ずかしいくそれでいて怒った様子で言う。
普段明日香は無表情なのにな。てか、なんでこいつが恥ずかしがってんだ?
「凛音ちゃん、ちょっとやめてよ、さすがに私もオコダヨ」
頬を膨らませ怒り表情に見せる。
「冗談よ冗談」
アニメに集中しながら適当に流す。
階段が昇ってくる足音が聞こえる。
そして、ドアが勢いよく開いた。
俺の部屋を一回り見渡すと口を開く
「お兄ちゃんー何してるの?楓も混ぜてよ」
こいつは俺の妹、加藤 楓小学生3年生、さらりと艶やかな茶髪ちょっと茶色がかってる目、身長は120センチぐらい。
俺の妹にしては可愛い方だ、多分告白は何回もされてそうな程だ。
「明日香ねーちゃんも久しぶりだね」
「楓ちゃんも久しぶりー」
無表情で手を振り答える。
「お兄ちゃんが二人も女を家に連れ込んでるー」
「連れ込んでないから!二人ともただ遊びに来てるだけだから」
「ちょっと聞き捨てならないわ、これは遊びじゃなくて同好会の活動、そこはちゃんと理解しなさい」
「その上から目線ちょっとやめて」
「お兄ちゃんそこの女誰?」
「そこの女とは何?別に優希の女になったつもりはないんだけど、なりたくないんだけどしつけがなってないわよこの幼女」
「多分そこまでは楓は言ってないよね⁉︎なりたくないのは酷くない⁉︎」
「私は佐々木 凛音、凛音おねーちゃんとでも呼びなさい」
「わかった凛音、私、楓」
「年下に呼び捨て⁉︎まぁーいいわ幼女」
二人とも息合ってる感じがするな。
「なんかお前ら、仲良くなれそうだな」
二人の方に手を乗せ、笑顔で言う。
「うん」
元気よく返事する妹。
「こんな幼女、範囲外だわ」
見下すような目線で言う凛音。
範囲外なのは歳が離れているだろうからか、そしたら明日香はどうなんだ。
「俺の妹に向かってーだけどお前の的になったら怖そうだからよかったわ」
「あと、幼女幼女言うなー」
「お兄ちゃんその...そのテレビに映ってる男と女の行為は何?」
はずかしながらテレビに目をやる妹が言う。
テレビはまだあのシーンのまま続いている。
今期のアニメはヤバイなと思いつつ答える。
「あのその、見るなーー、お前にはまだ早い早すぎるんだよ」
慌てて妹の目を塞ぐ。
気軽に入るもんだからすっかり忘れていた。
「お兄ちゃん、目が見えないよー、手ーどけて」
「ダメだ、お前にはこっち側に来るべきじゃない。こっち側に来たら常識人じゃなくなるぞ」
もう俺の部屋でアウトなんだが、でもこれは見せられない。オタクはギリ良いとしてもエロはダメだエロは。
「見たい、見たい、見たい!」
どれだけ見たいんだこいつはさっき見たのではずかしがってたのに。
俺は騒ぎ出す妹を抱え、部屋の外で放り出す。
「お兄ちゃん酷いよ。もうお兄ちゃんなんかいい!嫌い!大嫌い!」
ドア越しでそう叫ぶ妹に構うことなく無視した。