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2.アラサーの結婚式帰り




 私はパンプスをきちんと履き直して、ホームに出た。

 五月の爽やかな風がとても気持ちいい。車内は空調でしっかりと適温に保たれていたが、自然の解放感がある風にはやっぱりかなわないね。

 地下鉄にはほんの三、四十分間しか乗っていないけど。


 さて、この後どうしようかと考えを巡らせながら改札口に向かうため、エスカレーターを下って行く。


 今日の結婚式は昼過ぎからのスタートだった。二次会もないので式の後の披露宴も、五時には終わり。豪華なコース料理を食べたのは、数時間前だからお腹もまだ空いていない。

もちろん、コース料理はデザートまできちんと完食致しました!


 家に帰ってお酒を飲みながら、撮り溜めている映画でも見ようかなー。とSuicaをバックから取り出し、ピッという音を背後に聞きながら、改札を出る。

 私が通勤の際にいつも使うのは小さめの南改札だが、今日は晩酌用のお酒を買うために、メインの大通りに面している正面改札から出た。


 改札の前は、大学生らしき騒がしい集団や、きっと彼氏を待っているのであろう可愛らしい装いの女の子など、ちょっと浮かれた人々が待ち合わせをしているようだ。

 平日の会社帰りとは少し違った雰囲気でいつもより賑わっている。

 若干、人の波を邪魔だと思ってしまった私は心が狭いな。自嘲気味に笑ってしまった。


 行きつけの酒屋さんは、駅から五分程の距離にある。この街に引っ越してから数年、足繁く通っているお店だ。

 私はお酒が好きなので、家で一人で飲むことが多い。お独り様でお店で飲むよりも安上がりで経済的だし、家ならばスッピン部屋着で楽に飲める!

 ストレス解消なら、私にとってはこの方法が一番なんだよね。


 道を歩き進めて行くと、私が持っていた大きめの紙袋に、男性の足が軽くあたった。

 邪魔にならないように気をつけていたのに、こりゃ失礼。

 無意識にすいませんという言葉が口から出てきて、男性も謝ってくれる。

 そのまま通り過ぎようとしたら声を掛けられた。


「あれ? 神崎さんですよね」


 えぇっと……。

 この方、どなたでしょう?




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