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TOHO FANTASY Ⅰ  作者: PHIOW BJIJ LHJIJ LJIJ
東方近未来 ~Aliquando mundi~ -いつかの世界- 
9/40

9章 恨むべき相手

[暇な人のための復習]

1章=パッチェに⑨とカリスマ(笑)が攫われた!

2章=奴隷制度なんて酷いゾ~と思った巫女

3章=奴隷から力を奪い、その力を保存するスーパーコンピュータ「GENESIS」を壊せ!→GENESIS:CONCORDIAを破壊 残り4台

4章=ヘッドホンがバイクを運転しながら襲い掛かってきた!

5章=カリスマ(笑)の妹を発見!

6章=GENESIS:IDOLAを破壊 残り3台

7章=にとりは狂っている!?恐怖のGENESIS・PROJECT

8章=vs高校生、国会からの補助金を封じるッ!(蜘蛛男風)

9章←いまここ


戦闘編

1章=パッチェ 

3章=GENESIS:CONCORDIA

4章=豊聡耳神子

6章=GENESIS:IDOLA&霊烏路空

8章=宇佐見蓮子

9章←いまここ

霊夢が崩した瓦礫の壁を破り、姿を露見させたのは―――。


―――パチュリー。


―――彼女がこの世界に来るきっかけとなった原因。


そして破った壁から大量の警察官とマスコミが押し入ろうとするが、パチュリーが右手で制止する。

議員たちは逃げようとするが、パチュリーが制していた為、避難出来ない。


「・・・蓮子になんてこと?・・・ふん、笑わせないでくれないかしら!」


彼女はそんなパチュリーの発言を嘲笑う。


「あんたがチルノとレミリアを攫った、だから私はここに来たのよ!

・・・あんたたちPYT研究所の奴隷貿易に幕を閉じて、世界を平和にして幻想郷に帰るのが私の夢よ!

・・・あんたが「そんなこと」をしなければこんな旅に出る事は無かったのよ!」


彼女は正面にいる魔法使いに向かってそう叫んだ。

蓮子との戦いでボロボロになった議場で声が響く。


「・・・そんなこと?・・・楽しいわね、霊夢。・・・頭の中がお花畑みたいで」

「何よ!?」

「・・・私たちPYT研究所は人々の幸福の為に奴隷貿易を始めたの。

・・・それも「別世界」から連れてくるのよ。

・・・この世界に危険は全く無いの。・・・だから人々は受け入れた。誰も反対しなかった。

・・・考えてみなさい?・・・殆どはあなたの「敵」なのよ?」

「あんたが調べた限りではそうかもしれないわね・・・。

・・・でもデモとか起こったことは無いのかしら?」

「よくご存知で。・・・でもすぐに収まったわ」

「・・・あんたたちが「力」で弾圧したからね!」


霊夢は言い切ると、パチュリーは大きな声で・・・そして狂ったような声で・・・。


―――大笑いした。


「あっははははははははははははははははははははははははははは!!!」


パチュリーの笑いにその場にいた全員が驚きを隠せなかった。


「そうよ!私たちは!反対圧力を「弾圧」するのよ!だから反対勢力なんていない!

いたとしてもそれは何も出来ない愚か者だ!だ!だ――――っ!」


「・・・ぱ、パチュリー・・・」


フランはおかしくなったパチュリーを見て何処か悲しそうな表情をした。

いつも一緒に図書館で遊んでくれた・・・パチュリーが・・・どうして・・・。


しかし巫女は狼狽えなかった。勇敢にも彼女に言い放つ。


「・・・何も出来ない、って項に訂正が必要ね。

・・・何も出来なくても、私を助けてくれたわ、私の仲間になってくれたわ。

・・・あんたの勝手な想像で決めつけないでくれないかしら!」

「あっははははははは!!!だから何よ!」


パチュリーは笑いと共に2人を見下していた。


「・・・あんたは本当に哀れね、この世界に来てから何か変わったわ、パチュリー・・・。

・・・その腐った心、私がこの力で鍛えなおしてあげるわ!覚悟しなさい!」

「・・・そうね!楽しい「お遊戯会」でも始めようかしら!あっははははは!!!」


               δ


「まあいいわ、前座を用意したのよ。・・・あなたたち、奴らを殺しなさい!」


彼女は制するのをやめると、警察隊がマシンガンや拳銃を構えて霊夢とフランに雨を浴びせる。


「こんなんじゃ避け切れないわ!夢符、二重結界っ!」


霊夢は目の前に結界を張り出すと、多くの銃弾が結界によって弾かれていく。


「パチュリー・・・目を覚ましてよ!」


フランは彼女にそう訴えながら、警察たちを拳銃で薙ぎ倒していく。

全ての銃弾が心臓部に当たる。・・・即死である。

警察官の撃たれた死体が積み重なり、国会は最早地獄と化していた。


「もういいわ!役立たず!」


パチュリーは警察官が30人死んだのを確認すると、再び手で制す。

そして生き残った警察官たちは死んだ仲間の元で泣いていた。

霊夢は結界を解除し、フランは銃口を彼女に向けた。


「・・・如何だったかしら?」

「不味い味だったわ、血みどろのような味で」

「・・・それはいい皮肉ね」


パチュリーは魔法で剣を作り上げると、早速霊夢に斬りかかる。

霊夢は瞬発的にお祓い棒で防ぐ。


「パチュリー!もうやめようよ!こんなこと!」


フランは訴えるが、彼女は聞く耳すら持たない。


「・・・今から「血みどろ」になるのはあなたよ!霊夢!その血をレッドカーペットに溶かしなさい!」

「ふざけるのも大概にして欲しいわ・・・パチュリー!」


議場の階段で、彼女たちは鍔迫り合いをしていた。

剣とお祓い棒が触れる摩擦音が響く。


「・・・フラン・・・!」


霊夢は必死にフランを呼んだ。


「パチュリーを・・・撃つのよ・・・!」


彼女の口から発せられた言葉は恐怖と自分にしか出来ない希望があった。

今まで一緒だった彼女を撃つことに抵抗はあるが、このままだと霊夢が・・・。


2人はフランが悩んでいる間も鍔迫り合いをしていた。


「・・・あの子に私が撃てるかしら?・・・私がフランを殴ったりしたけど、そこに立ちはだかるのは思い出、よ。

・・・私は思い出を倒した。・・・でもフランはまだ1ミリにも触れないのよ」

「・・・フラン・・・いいから早く!」


霊夢は押されていた。


「・・・で、でも・・・」

「いいから!」


今にも斬り飛ばされそうな霊夢。


・・・仕方なかった。


「・・・パチュリー・・・ごめんね!」


フランはその瞬間、引き金を引いた。


                δ


「ぐほっ!?」


彼女の心臓を射貫いた銃弾。

射貫いた場所から血が溢れていく。

時間がスローになったが如く、彼女はそのままレッドカーペットが敷かれた階段に倒れた。

霊夢はお祓い棒を降ろすが、フランはその時になって自分の犯した過ちに気付いた。


「ぱ、パチュリー・・・ごめん・・・ごめん・・・!」


フランには断ち切れなかった思い出が、彼女を悲しませる。


「・・・仕方ないのよ、フラン。・・・それに」


巫女は言い切らずに言葉を溜めた。


「・・・それに?」


「・・・パチュリーは生きてるわよ」


               δ


「・・・ど、どうして?」


「コイツは魔法使い、永遠の命を得た大馬鹿者よ。こんなのでくたばる訳無いわ」


すると倒れた魔法使いは心臓部から血を流しつつも、彼女たちを睨みつけた。


「・・・私を本気にさせたわね、霊夢、フラン」


激怒したパチュリーは悍ましい形相であった。


「・・・あんた、まだ戦えるの?」

「・・・当たり前よ。・・・EXGENESIS.exeがあるからね!あはははははは!!!」


パチュリーは大笑いすると、急に彼女の体が白く発光し、空中を浮遊したのだ。

両手を広げ、彼女は「形でないもの」に生まれ変わろうとする。


「・・・霊夢!フラン!・・・喜びなさい!私があんたたちの臨む「GENESIS」そのものになってやるわ!

・・・そう!GENESIS:PATCHOULIよ!

・・・さぁ、出てきなさい!私を守る門番!」


第二の太陽が議場の天井で輝き、パチュリーを守るが如く現れた突然現れた門番。

幽霊を纏って、長い剣を構えて立ち塞がる。


「・・・妖夢・・・あんたも・・・」

「どうして・・・」


2人は突然現れた門番に戸惑いを隠せなかった。


「・・・愚かな。・・・人間と吸血鬼よ、何故抗うのか。我がパチュリー様に。

・・・ならば、この私が相手を引き受けよう!我が剣に斬れぬものなし!」


彼女が守るGENESISになろうとするパチュリーは白光を放ちながら形を変えていく。

そして妖夢の後ろで大きなGENESISがコードの根をレッドカーペットの中に捻じ込んで現れる。

元のパチュリーの形は無く、そこにあったのは気持ち悪い形をした偶像。

扇風機のような形であり、赤と白がぐちゃぐちゃに混ざった芸術。

それを見た議員たちは恐怖で蹲り、気を失っている者もいた。


「・・・あ!妖夢さんのPDM、お空さんと同じ奴だ!」


フランはお空の付けていたPDMと妖夢の付けているPDMが同じであることに気づいた。


「・・・そういうことね!洗脳されてるんだわ!」


彼女は妖夢に悪気は無いと悟ると、元凶のGENESISを見据えた。

そのGENESISは吐き気を催すようなエンジン音を響かせた。


「キュピラアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!」


―――GENESISとなったパチュリーと洗脳された妖夢、そして2人は今、戦おうとしていた。


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