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TOHO FANTASY Ⅰ  作者: PHIOW BJIJ LHJIJ LJIJ
東方近未来 ~Aliquando mundi~ -いつかの世界- 
4/40

4章 トンネルでの戦い

読んでくれてる人なんているのかな~

GENESIS:CONCORDIAを破壊し、煙が立ち上る中、中毒死を免れるために階段を上がると、神子がバイクを近くに置いて2人の前に姿を晒す。

自身のつけていたマントには「PYT研究所」と書かれていた。


「・・・神子、あんたも・・・」


霊夢は神子も敵であることを認識すると、仲間はそんな神子を恐れ、霊夢の後ろに隠れる。


「・・・これでC区管轄の奴隷が解放されるとでも思いました?」


よくよく考えると・・・C区管轄内の仲間は何も変わらなかった。


「・・・ど、どうして・・・」


仲間は訳分からずそう呟くと、神子は嘲笑した。


「・・・私が事前にGENESISが破壊されても持っているデータを散乱させずに、中央の機械に集める保険をかけておいたんです。・・・理解出来ます?・・・要するに、あなたたちが他のGENESISを破壊しても、何の意味もない」


神子は霊夢に言いきると、霊夢は歯を食いしばって反論した。


「・・・そう。なら他のGENESISを壊して、最後にその機械を壊せばいいだけじゃない!」


「・・・博麗の巫女、あなたは哀れです。こちらの誘いを断り、こういう結論を示すとは」


神子は剣を鞘からさしぬくと、黄金の刀身を露見させる。


「・・・に、逃げましょう!ここで足止めをされたら、いずれ警察が集まってしまいます!」


仲間はすぐにバイクに跨り、彼女に提案する。


「・・・わ、分かったわ!」


霊夢はすぐに仲間の後ろに跨ると、そのままバイクは公園から出て行く。


「・・・逃げるつもりですね、そうはさせません!」


神子も追いかけるためにバイクに乗り、無線を通じて警察に連絡する。


「・・・警察部隊に報告!こちら博麗の巫女、B区に向かって走行中!近くの者は支援を要請します!」


               δ


「・・・調べなおしたら・・・流石は神子だ、私の発明のバックアップを取っていた」


にとりは暗い研究室でパチュリーと共に明るく光るパソコンの画面をじっと見つめていた。


「・・・力のデータが流出していない。・・・これはCONCORDIAのデータを今、中央のデータ分割装置に戻しているんだ。

・・・一歩前の作業に戻ったことで、再び分割し直せる。・・・神子も侮れないな」


にとりは神子のバックアップに感心していた。


「・・・それに「EXGENESIS.exe」のデータ流出も防いでいた。

・・・これはGENESISに自身の持っているデータを形状化し、自身の力とする大事なファイルだ。

1個でも流出したら大変な代物だった」

「・・・あなたよりも神子に仕事を任せた方が早そうね」


パチュリーは冗談を言うと、にとりは「何を!」と言って反論する。


「第一、今私は重要な「GENESIS細胞」を研究している、ここで持ち場を離れたら、我々の計画が終わるだろう」

「GENESIS細胞・・・本当に当初の予測通りになるのかしら?」

「当たり前だ!GENESIS細胞を既に埋め込んで、実際に実験している。

・・・これで異常が見られれば、彼女の体を解剖して次回に生かす。

・・・最終目標は「GENESIS細胞を奴隷に植え付けることで、PDMの代わりの仕事を得る」ようにすることだろう?」

「・・・確かにそうね。・・・そうすればPDMの生産費用は安くなるわ。

・・・でも今は別に資金源に困っていないわ。・・・内閣と国会が予算を分けてくれるじゃない」


パチュリーは懐から取り出した煙草に火をつけた。


「・・・思ったんだけど、GENESISがいつか暴走する可能性は無いのかしら?」


「・・・パチュリー、当たり前だ!あれは私が未来生物「GENESIS」を基に作り上げたスーパーコンピュータだ!

・・・巫女が壊すのは別例だが、自ら暴走することは決してあり得ない!」

「・・・それはあなたの「予測」でしょう?・・・何が起こるのか、先は見えないのよ」


パチュリーはにとりのパソコンをいじり、テレビモニターに切り替える。

画面内では多くの警察と神子と博麗の巫女による鬼ごっこが行われていた。


「・・・まーた鬼ごっこのようね。・・・でも他のGENESISの場所にはちゃんと警察とPYT兵も送っといたわ」

「PYT兵・・・あんたが改造した兵士たち、だっけ?」

「そう。社長直々に頼まれて、奴隷を何人か連れてきて実験を行ったのよ。

・・・まあ記憶を新たなものに書き替えておいたから、ずっと私たちに忠誠を誓ってるわ」

「・・・先回り、ね。それにしても・・・結構徹底的にやるのね。

・・・まさかCONCORDIAの場所を突き止められたとは思ってもいなかったでしょ?」

「・・・彼女を甘く見てはいけない、という事だけは分かった」


                δ


霊夢たちはとにかくバイクを走らせていた。

バイクのメーターは既に110を示しており、高速で道路を疾走する。

近隣住民たちは突然起きた逃走劇に戸惑いつつも、巫女は必死に応戦する。


「どれだけいるのよ・・・!」


仲間が車の中を搔い潜る巧みな運転で何台かのパトカーを撒いたが、それでも神子たちは追ってくる。


「全員、一斉砲火!」


神子が運転しながら言い放つと、後ろの警察隊は機関銃やマシンガン、ハンドガンなどで逃げ回る2人を射貫こうとする。

そんな仲間の視界に、トンネルが見えた。

そして咄嗟にアイデアを思いついた。


「・・・今からトンネルに入るのですが、入ったら能力でトンネルの天井を攻撃して、崩落させてください!

・・・そうすれば後を追えなくなります!」

「トンネル入り口の天井・・・分かったわ!」


巫女は入ろうとするトンネルの天井に向かってカードを構える。

その動作でこの後の出来事を察した神子はバイクのスピードをフルに上げて、彼女に追い付こうとする。


―――そして。


「霊符!夢想封印っ!」


そう宣言した瞬間、バイクは交差点からトンネルに突入し、夢想封印が炸裂した天井の壁が崩れていく。


「・・・そうはさせない!」


神子はフルスロットルでそのままトンネルに突入し、天井が完全に崩落する前にトンネルに入ることが出来た。

が、後方の警察車両たちは夢中で追いかけているうちにそのまま入り口が崩れたトンネルに衝突し、玉突き事故が連続して発生、トンネル前で噴煙があがった。


薄暗いトンネルで、対向車が全く来ない中、神子は霊夢たちと同じ速度にあげて隣につく。


「トンネルで撒いたことはお褒めしましょう・・・。

・・・だが、あなたたちはここで私の腕によって倒される!覚悟しなさい!」


神子は右手で運転しながら、左手で剣を構えた。


「楽しい冗談わね・・・!・・・神子、その言葉をそのままお返しするわ!」


霊夢は仲間に運転を任せる旨を言うと、いきなり神子はバイクで接近し、霊夢に黄金の刀身で斬りかかる。

彼女は持っていたお祓い棒で剣の一撃を華麗に受け止めると、神子はバイクを霊夢たちから一旦遠ざける。


「・・・悪いけど、さっさと決めちゃうわ!霊符・夢想」

「そうはさせません!」


彼女の宣言途中で神子はバイクでタックルし、霊夢のバイクを運転していた仲間は不安定状態に陥る。


「うわああああああ!!」


衝動で仲間は落ちそうになり、ハンドルを手から離してしまう。


「仕方ないわ!」


霊夢がすぐに運転し、仲間は何とか後方に避難する。

神子はさらにタックルを仕掛けたが、彼女は何とか持ちこたえた。


「バイクでタックルなんて・・・新種の技かしら?・・・まぁいいわ。

・・・霊符っ!夢想封印っ!」


霊夢は右手でハンドルを操作し、左手を上に掲げて宣言すると、横を走行中の神子に光弾が向かっていく。


「・・・そんな攻撃、当たるといいですね」


彼女の攻撃を皮肉った神子はスピードを下げると、光弾はトンネルの地面、コンクリートに炸裂した。


「哀れです!大多数に歯向かうなんて!」


神子は真後ろから仲間目がけて斬りかかったのだ。


「わ、わわわわ・・・!」


仲間は怯えていた。すぐに前方の彼女はバイクを横にずらし、前に斬りかかった神子の攻撃を空振らせる。

神子は空振った影響で隙を作ってしまう。


「今よ!霊符・夢想封印っ!」


その瞬間、神子のバイクに夢想封印が直撃し、バイクは爆発を起こして崩壊した。


「うわあああああああああああ!!!」


神子の叫びを遠くに、霊夢たちはそのままトンネルを走行した。


                δ


「たった今、PYT研究所においてPDM担当課を務めておられた豊聡耳神子氏が脱走犯の攻撃を受けて大怪我をしているとのことです。

・・・今現在、彼女たちはB区へ向かって走行していますが、先回りした大多数の警察隊が脱走犯の攻撃を受けて崩壊しているとのことです。

・・・近隣住民の皆さま、決して彼女に近寄ってはいけません!」


テレビの中でアナウンサーはそう伝えていた。


「・・・神子、やられたわね・・・」

「神子でも手を焼いたなんて・・・。・・・パチュリー」


にとりはパチュリーを呼んだ。


「何よ?」

「・・・そろそろ幻想郷から連れてきた、余り物の奴隷たちを兵士にして送らないと危険みたいだ」


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