[Aix Trine=6 サクリファイスの残照]
フレア・・・超高熱エネルギーで攻撃
てかFFの呪文が稀に出てきます
ビームサーベルを構え、地上掃討戦を行った。
地上に生きる生命体を1人残さず見つけては『実験台』とした。
それは彼が望む英雄の降誕の為に―――地上は時既に、破壊し尽くされていた。
崩れた紅魔館の地下―――曾て英雄の幻影と霊夢が戦った場所を彼らは『実験場』とした。
男女別に壁を隔てて分け、防音硝子の向こうからイドラとアミティムスは監視していた。
アミティムスは水色のショートヘアーであり、オッドアイを煌かせ乍らイドラと見張っていた。
彼もまた、イドラ同様に「冷淡」であった。
「コイツら・・・我々の期待に応えられる力はあるのか?」
「あるさ。・・・非力と言えど、多少の特殊能力を持つ奴はいる」
イドラの静かな問いに真直ぐに答えたアミティムス。
幻想郷の住民たちの管理、統制がここで行われていたのだ。
動物園で見世物にされた動物のように、硝子の向こうで統制されていたのは事実であった。
「・・・こんな奴らをエクストラインに生贄として使うのは申し訳ない気もするが―――仕方ないのか」
「残念ながら、な。私だってこんな滲めな連中の細胞など使いたくもない。
・・・しかし、この世界は英雄が曾て住んでいた世界だ」
アミティムスは硝子の向こうでそう述べた―――
幻想郷で生を構えていた存在を―――全て否定したかの如く。
「・・・五月蠅い奴らだ」
黒いマントを羽織って、アミティムスは立ち上がった。
必死に防音硝子を叩き、脱出を試みようとしていた哀れな生き物どもに―――見せしめをする為に。
「・・・どうするつもりだ?」
「簡単な―――『殺戮』だ」
「程々にしとけ。既にコンコルディアが大量に殺したからな」
「あれは別に構わないだろう。・・・彼女らしいやり方で。英雄もお気に召してくれる」
マントを靡かせ、彼特有の武器であるガンブレードを右手に構えていた。
ショーケースの中の実験台を見据え、必死にもがき苦しんでいた生贄を―――傷ぶり付けようとする。
―――非道なる『管理』に逆らった懲罰であった。そしてそれは裁きでもあった。
暗闇の中、実験台がいる中に彼は侵入し、2つを隔てる壁の上に立った。
生贄となった実験台たちは、彼に抗えなかった―――それは力が無いからであった。
事前にイドラが用意周到なのか、GENESISに込められた力を使って引き抜いたのだ。
抜かないにしても、GENESISである彼に勝つことは不可能であった―――1人を除いて。
アミティムスの左右の耳の中に怒号や泣き声、悲願の声が入る。
それは彼にとって―――「邪魔」でしか無かった。
「五月蠅えんだよ!所詮は只の雑魚に過ぎない劣等生物どもが!・・・フレア!」
怒りに任せ、アミティムスは自身の力を実験台に向けて解き放った。
放たれたのは女性側の方向であった。
とてつもない熱の力が集まり、逃げ惑う中、一部の妖精や妖怪が蒸発して身体を溶かしたのであった。
「お前らにもだよ!フレア!」
男性側にも躊躇なく解き放ち、その悍ましい力を前に多くの少年や大人が身体を蒸発させた。
泣く声が更に強まり、怒号は消えた。
それは彼が持つ、絶対的な力に抗えないことを悟ったからであろう。
「次に私の気分を害するような事をしてみろ・・・」
そう言い残すと、彼はそのままショーケースから身を消した。
黒いマントが、彼自身の冷酷さ―――温もりの感情を知らないような彼の心でもあった。
δ
アミティムスが戻ってくるのを確認すると、イドラはすぐに立ちあがり、ビームサーベルの柄を右肩に担いだ。
「・・・行ってくるのか」
「お前1人でも充分だろう。私は決着をつけてくる」
「・・・そうか。・・・行って来い」
「ありがとな」
イドラはそんな実験場を背に、そのまま燃え行く世界へ飛び出した。
彼の行く手を阻む存在―――それは英雄をも倒し、世界を救った救世主―――メシアであった。
「・・・『博麗霊夢』、我々の最大の敵だ」
イドラさんとアミティムスさんって名コンビだと思ってる




