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TOHO FANTASY Ⅰ  作者: PHIOW BJIJ LHJIJ LJIJ
ACC 東方近未来 -The cruel Nativity TOHO FANTASY ⅠAnthology Complete Edition-
28/40

[Aix Trine=6 サクリファイスの残照]

フレア・・・超高熱エネルギーで攻撃


てかFFの呪文が稀に出てきます



ビームサーベルを構え、地上掃討戦を行った。

地上に生きる生命体を1人残さず見つけては『実験台』とした。


それは彼が望む英雄の降誕の為に―――地上は時既に、破壊し尽くされていた。

崩れた紅魔館の地下―――曾て英雄の幻影と霊夢が戦った場所を彼らは『実験場』とした。

男女別に壁を隔てて分け、防音硝子の向こうからイドラとアミティムスは監視していた。


アミティムスは水色のショートヘアーであり、オッドアイを煌かせ乍らイドラと見張っていた。

彼もまた、イドラ同様に「冷淡」であった。


「コイツら・・・我々の期待に応えられる力はあるのか?」


「あるさ。・・・非力と言えど、多少の特殊能力を持つ奴はいる」


イドラの静かな問いに真直ぐに答えたアミティムス。

幻想郷の住民たちの管理、統制がここで行われていたのだ。

動物園で見世物にされた動物のように、硝子の向こうで統制されていたのは事実であった。


「・・・こんな奴らをエクストラインに生贄(サクリファイス)として使うのは申し訳ない気もするが―――仕方ないのか」


「残念ながら、な。私だってこんな滲めな連中の細胞など使いたくもない。

・・・しかし、この世界は英雄が曾て住んでいた世界だ」


アミティムスは硝子の向こうでそう述べた―――

幻想郷で生を構えていた存在を―――全て否定したかの如く。


「・・・五月蠅い奴らだ」


黒いマントを羽織って、アミティムスは立ち上がった。

必死に防音硝子を叩き、脱出を試みようとしていた哀れな生き物どもに―――見せしめをする為に。


「・・・どうするつもりだ?」


「簡単な―――『殺戮(見せしめ)』だ」


「程々にしとけ。既にコンコルディアが大量に殺したからな」


「あれは別に構わないだろう。・・・彼女らしいやり方で。英雄もお気に召してくれる」


マントを靡かせ、彼特有の武器であるガンブレードを右手に構えていた。

ショーケースの中の実験台を見据え、必死にもがき苦しんでいた生贄(サクリファイス)を―――傷ぶり付けようとする。


―――非道なる『管理』に逆らった懲罰であった。そしてそれは裁きでもあった。


暗闇の中、実験台がいる中に彼は侵入し、2つを隔てる壁の上に立った。

生贄となった実験台たちは、彼に抗えなかった―――それは力が無いからであった。


事前にイドラが用意周到なのか、GENESISに込められた力を使って引き抜いたのだ。

抜かないにしても、GENESISである彼に勝つことは不可能であった―――1人を除いて。


アミティムスの左右の耳の中に怒号や泣き声、悲願の声が入る。

それは彼にとって―――「邪魔」でしか無かった。


「五月蠅えんだよ!所詮は只の雑魚に過ぎない劣等生物どもが!・・・フレア!」


怒りに任せ、アミティムスは自身の力を実験台に向けて解き放った。

放たれたのは女性側の方向であった。

とてつもない熱の力が集まり、逃げ惑う中、一部の妖精や妖怪が蒸発して身体を溶かしたのであった。


「お前らにもだよ!フレア!」


男性側にも躊躇なく解き放ち、その悍ましい力を前に多くの少年や大人が身体を蒸発させた。

泣く声が更に強まり、怒号は消えた。

それは彼が持つ、絶対的な力に抗えないことを悟ったからであろう。


「次に私の気分を害するような事をしてみろ・・・」


そう言い残すと、彼はそのままショーケースから身を消した。

黒いマントが、彼自身の冷酷さ―――温もりの感情を知らないような彼の心でもあった。


              δ


アミティムスが戻ってくるのを確認すると、イドラはすぐに立ちあがり、ビームサーベルの柄を右肩に担いだ。


「・・・行ってくるのか」


「お前1人でも充分だろう。私は決着をつけてくる」


「・・・そうか。・・・行って来い」


「ありがとな」


イドラはそんな実験場を背に、そのまま燃え行く世界へ飛び出した。

彼の行く手を阻む存在―――それは英雄をも倒し、世界を救った救世主―――メシアであった。


「・・・『博麗霊夢』、我々の最大の敵だ」

イドラさんとアミティムスさんって名コンビだと思ってる



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