エピローグ
オトートが「書け書け」五月蠅かったから書いた
本当は「再臨:創世の天使」で終わらせるつもりだったけど、お許しを!
あとオトートよ、もう言う事は聞かないぞ
―――時は、静かに流れていく。
それは至って普通の事かもしれない。
だが、この時間が貴重であることを彼女たちは理解したのだ。
チルノは元気になって外で遊んでいるのか?
それともやってしまった悲劇を悲嘆して身を投げたか?
それは幻想郷の住人でないと分からないであろうことだ。
ただ、あの悲劇・・・GENESISが生んだ悲劇から幾程の悠久の時間が流れたのだろうか。
家々は綺麗に並び、赤い屋敷も何事も無かったかのようであった。
・・・これが彼女たちの臨んだ「夢」なのであろうか?
―――いずれ世界は変わっていくもの、同じ固定概念に結ばれた世界は滅ぶのが世の常だ。
翡翠に込められた悲しみと夢。いつかこうなるとは分かっていたとしても―――
―――「いつかの世界」、それこそが彼女たちの住む、本当の夢なのであることを悟ったのだ。
「・・・今日もいい天気ね」
縁側に座りながらお茶を飲んで、無邪気に遊んでいる元の神の姿があった。
もう「神」という概念も、「力が桁外れに強い者」という意義では無く、別の意義に移ったのであろう。
もう神はいない。そこにいるのは妖精であった。
―――彼女は悟った。
終わりは誰にでも出来る。だが、再び始められるかが全てを変えるのだ、と。
――――――――――幻想郷は、今日も平和です。
―――人の夢に、終わりはない。