二人が死
校内放送が流れた。
「ルール違反者が現れたさっき入っていった4人だ。彼らは皆を置いて自分たちだけ逃げようとしている」
それはみんなの期待を裏切るものであった。
「マジかよ」
「信じてたのに」
地面を叩き悔しがる生徒もいた。
「そこで提案だ。生きたいか? 生きたいなら彼らを見つけ出し殺すのだ。ただし早い者勝ちだ。ここかは二人一組とする。では検討を祈る」
「おい、聞いたか今の?」幹治たちは慌ててコースに戻り身の潔白を晴らそうとしたが足が固まって動けない。
「この死神め。俺たちをはめやがったな?」幹治は殴りたい一心だったが足が固定されて動けない。
「私を信じて。そうすれば助かるから。友達でしょう?」メイコは薬とまた笑う。
「おい、うるちゃん何とかしてくれよ。霊能者だろ」普段はペテン師だのと言っている尚樹が調子よく助けを求める。
「ここは、あの世の案内人にまかせるしかないわ」潤は尚樹をにらみつけて全てをメイコに託すことにした。
「マジかよ……」幹治と尚樹は愕然として渋々後についていく。
そのころクラス中でデスマッチが展開されていた。みんな自分が生き残りたいがために弱いものからどんどん殺していった。
中でも群を抜いたのはケンカがめっぽう強い二人組のタッグだ。普段はライバル視してケンカが絶えない二人の中島と春日井。
ここぞとばかり手を組んだ。
一方で走りには自身があるコンビ瀬山と林が逃げまどっていた。
ついに二国が出そろったが差は歴然としていた。
「ついに追い詰めたぞ」
「ちょこまかと逃げやがって」
中島と春日井に追い詰められた瀬山と林が命乞いをする。
「助けて」
「殺さないで」
しかし予期せぬ何者かが算数の問題を出す。
「2×2=なんだ?」そいつは鎌を持っていて殺気付いていた。
「4……です。正解したから殺されないよな?」瀬山と林が安心して逃げようとしたときに鎌は振り落とされた。
「正解4だよ。そう死だよ」4人は惨殺された。
「さて、残りは……」何者かが鎌を引きずりながら廊下を歩いていく。