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〈3章〉 晴翔side
晴翔side
「これで文句ないでしょ!」
そう言った、香野。
俺に口移しで薬を飲ませやがった。
あんなん、冗談に決まってる。
まさかすぎる。
可愛すぎる。
照れ隠しに出てった君にドキドキする。
「やべぇ…ふいうちすぎんだろ。」
俺はそうつぶやいた。
俺があいつに意地悪するのは
楽しいから。
あいつの、香野の、1つ1つの顔がおもしろいのだ。
そして、カワイイのだ。
俺はずいぶんあいつに惚れこんでいる。
入学式の時から。
普通、気のない女に「後ろのる?」なんて聞かない。
おもいっきり、ひとめぼれ。
けど、こんなん続けてたら嫌われるか?
つか、もう嫌われてる?
まぁいい。
「ぜってー、俺のものにする。
まずは…意地悪やめないとなぁ…。」