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2章 相合傘
〈2章〉相合傘
(雨は嫌い。けど相合傘は好き。)
莉子side
「降水確率 午前も午後も10%」
そうテレビでは言っていたのだ。
いつも朝見る番組の「大西さん」が言ってたんだ!
なのに!なのに!大西さんのうそつき!
「なんじゃ、この雨わぁーーーーー!!!」
おもわず、そう叫んだ。
傘持たずに学校きちゃったじゃないか!
「お前、もっとかわいげのある声と言葉はなせよ。」
そう言ってきたのは飯田だ。
「しょーがないじゃない!傘忘れたんだから!!!」
「朝、おもいっきり雲ってただろ!?」
「だって、大西さんが!」
「はい、人のせいにしない。ま、バカってことで。」
「まとめるなっ!」
「じゃ、とりま今日もいただきっ!」
そういって、今日は物理の教科書をこいつはうばった。
えー!今日の物理、矢野先生休みだから東野先生じゃん!
あの人怖いのに…。
キリッと飯田をにらんでみたけど、
気付いてないらしい。
今日は、最悪の日だ…。