ありがとう、わたしに出会ってくれて。~あなたの幸せを願いながら~
ありがとう、わたしに出会ってくれて。
もう何を言っても届かないかもしれないんだよね。
どうにもできないんだ。
こんな風に後になってから想いを伝えようとしても、何の意味もない。
でもさ、それでも言わせてほしいんだ。
この限りなく広い世界で巡り会ってくれて、無数にいる人間の中から選んで隣にいてくれて、永遠のものでないとしても――それでも、本当に嬉しかったよ。
思えば色々あったよね。
喧嘩してちょっと気まずくなってしまったり。すれ違うこともあったり。でもそのすべてが幸せに続いていく道だった。山も谷も越えて、嵐だって抜けて。そうやって歩んだ日々、一日一日が綺麗で大切な思い出になって、元々それなりに特別だった二人がより一層特別になっていったんだよね。
どんな思いでいても、結局のところは互いのところへ帰るから。
季節が巡るのと同じくらい、わたしたちの関係は普遍的なもので、その分当たり前のものだって思ってしまっていたところもあったのかもしれないなって……今はちょっとだけ後悔もあったりするんだ。
あなたは何を考えて生きているんだろう。
もうわたしのことなんて忘れてしまったかな。
でも、それでもいいよ。
あなたが苦しんでいないこと、ただ一つ、それだけを願うから……。
◆終わり◆




