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プロローグ

~プロローグ~


 高校二年生の春。

 放課後の家庭科室で、いつものようにオムライスを作っていた俺 ― 有馬ありま 晴翔はるとは、気づいたら真っ白な空の上に立っていた。


 いや、正確には”空に浮かぶ島”の上だった。


 足元には柔らかな草が広がり、遠くには大小さまざまな島がゆっくりと漂っている。

 まるで雲の上に広がる群島。風は穏やかで、ほんのり甘い。


「......転生? いっ、異世界ってやつ!?」


 状況は理解できないけれど、不思議と不安はなかった。

 胸の奥で、未知のキッチンと出会ったあの時の心弾む感覚がよみがえったからだ。


 島の緑に沿って歩いていくと、森があった。

 木々は高く、葉は青というより少し蒼い。

 茂みの奥で、ガサガサッ、と何かが動いた。


「......誰?」


 慎重に近づいた俺の前に現れたのは―


 子犬みたいな表情の小さなグリフォン。

 まだ幼体らしく、ふわふわの羽毛に大きな金の瞳。けがをしているのか、右の前足をかばっていた。


「うわ、可愛い......いや、でも魔物だよな.....?」


 そう思いつつも、困っている生き物を放ってはおけない。


「えっと......大丈夫? ちょっと見せて」


 そっと触れると、グリフォンは驚いたように俺を見上げ、次の瞬間 ―胸元に顔をぐりぐり押し付けてきた。


「な、懐いてる......!? お前、敵意ないのか?」


 そのとき、俺の手のひらに薄い光が生まれた。

 頭の中に小さな声が響く。


<生活魔法:調理 適正:高>

<潜在スキル:鑑定/調合/栽培>


「あぁ、なるほど。俺料理の能力で転生したってことか。

 .....潜在スキルの調合は、薬草かなんかだろうか?」


 さておき、どうやら、この世界では”魔物を料理する”のも立派な食文化らしい。

 森には食材になる魔物や植物が豊富にあり、生活魔法で加工もできるみたいだ。


「よし、まずはお前の手当てからだな。 今日から.....いや、しばらくは一緒にいてくれよ」


『クルゥ!』


「そうと決まれば、名前を考えなくちゃな。うぅん......ソラ!ソラはどうだ?」


『クルゥゥ!!!』


 ソラは嬉しそうに喉を鳴らした。


 そして俺は、ソラとしばらく歩いたところで森の奥に小さな家見つける。

 どうやら、誰かが昔使っていた小屋みたいだ。

 料理もできるし、薬草や野菜なんかを育てられるスペスーもある。


「よし、ここを拠点にしよう!

 空の島のスローライフ......悪くないかも」


こうして俺は、空に浮かぶ島で、料理魔法とグリフォンのソラと共に暮らす日々を始めることになった。


― これは、転生料理男子・有馬晴翔の"空の島スローライフ”の物語である。

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