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第五話 描画顕現

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 描画顕現

 サモン・キャンバス、サモン・カラーズ、物質顕現、生物顕現、デリート、リペア、プラスインフォメーション、コピー・アンド・ペースト、ルッキング・チェンジ

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 これが、神託スキル『描画顕現』に含まれる権能の数々だ。

 で、それぞれの説明がこんな感じだ。


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 描画顕現⋯神から託された特別なスキル。様々な権能を内包している。


 サモン・キャンバス⋯マジックキャンバスを召喚する。『描画顕現』を持つ者がマジックカラーを用いて使用することで効果を発揮する。


 サモン・カラーズ⋯マジックカラーを召喚する。『描画顕現』を持つ者がマジックキャンバスに使用することで効果を発揮する。


 物質顕現⋯マジックキャンバスに描いたものを物質として顕現させる。


 生物顕現⋯マジックキャンバスに描いたものを生物として顕現させる。


 デリート⋯顕現した物を消去する。消そうという強い意志が必要。


 リペア⋯なんらかの理由で顕現した物が損傷、変化、消失したとしても、元の状態に戻すことができる。どこまで戻すかは使用者が決めることができる。


 プラスインフォメーション⋯顕現させた物に、特性、機能を追加する。追加には「画力値」を使用し、追加できるものは物によって異なる。


 コピー・アンド・ペースト⋯顕現した物を複製する。複製したものはオリジナルよりも画力値が低くなる。


 ルッキング・チェンジ⋯物、生物の見た目を描いたものに置き換える。大きさを小さくすることは出来ない。

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 見た感じだと、できることは、キャンバスと絵の具を召喚できて、それに描いたものを物質、生物として作り出せる。

 そして、それにある程度の機能を追加でき、複製、消失も自由で、1回戻すみたいなこともできる、というところかな。


 まあやってみないと詳しいことはわからない!使ってみるとしますか。


「これスキルじゃなくて権能だけど、これも唱えたらいいのかね…?『サモン・キャンバス』!」


 僕が権能の名前を言い終わると、地面にマンホールよりも少し大きいくらいの魔法陣が現れ、そこからキャンバスがまるで湧き上がるように出てきた。


「空中にポンって出てくるのかと思ったら、魔法陣から出てくんのね。なんか地味に洒落てんな。シュールだけど…。」


 マジックキャンバスは、「マジックキャンバス」とか言う割には普通で、普通に美術室とかに置いてそうな見た目だった。


「キャンバスだけあっても仕方ないよな!じゃあ次だ。『サモン・カラーズ』!」


 再び僕が権能の名前を唱えると、今度は地面から持ち手のついた木製の通勤鞄のようなものが、キャンバスと同じように出てきた。

 これは…道具箱だな。


「この光景やっぱシュールだなー。別にいいけど。」


 ちなみに、この2個の権能を使った結果、MPを20使った。一回で5分の1を使うとは思わなかった。

 あんまり多用せずに空間収納に入れておいたほうが良さそうだ。


「え〜っと?道具箱の中には何があるのかなっと。」


 とりあえず道具箱を開けてみることにした。中に入っていたのは…!


「えー、絵の具でしょ?パレットでしょ?鉛筆でしょ?あとは少なくとも筆があるはず…。あれ?見落としたのかな。そんなわけ無いよね?筆がないなんてありえないよね?」


 僕は筆を探した。それはもう必死に。

 おい筆!そこにいるのはわかっているんだぞ!早く出てこい!とか言ったりもした。

 だって筆がないとまともに絵の具が使えない、つまり()()()()絵が描けないのだから。


 しかし、筆は見つからなかった。

 その代わりに見つかったのは、1枚の折りたたまれた紙切れだった。

 その中に書かれていたのは…


『最初っから完璧だなんて、楽しめないですよね?ですから、スキルのお試しとして、オリジナルの筆を造ってみてください!あ、()()()()筆を作るまでは、筆は出ないようになっていますから、頑張ってくださいね!

 異世界生活を楽しんで 女神より』


「これは、詰みなのでは…。」


 僕は膝から崩れ落ちた。

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