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第三十二話 吟遊詩人?否、吟遊屍人。

『紅蓮』メンバーの容姿、種族について書いてなかったので、前話を加筆しました。

フレール…細マッチョ。気やすい人族。リーダーでBランク。

チャシュ…大柄の無口の人族。フレールを「リーダー」と呼称。会計担当でCランク。

デリッシュ…褐色背高強気脳筋美人。戦闘技能なんぞ無いので力仕事担当。荷運び人ポーターで、土人族ドワーフで、Cランク。

ヤマッコ…小さな女の子だが、それは小人族故。魔術師をしていて、Bランク。

「僕らは、『吟遊屍人』を真の意味で助けたい。協力して頂けないだろうか?」


 そう言われましてもねえ!真って何よ!真って!倒すってこと?違うのですかい?


「あの…、『真の意味』とは何のことでしょうか?何か意味がおありで?」


 ナイスだテーミン!よくぞ聞いてくれた!


「すまない、うっかりもう話しているつもりになっていたよ。」

「リーダー、迂闊。」

「しっかりしなよ、アタイでさえ覚えてたんだからさ。」

「まさかあのタイミングでお願いに入るとは思いませんでしたよ。」

「そんな寄って集って言わなくても良いよね!?」


 わー、仲良さそう。でもなんでだろうか、何か欠けているようにも感じる。


「えー、じゃあ今度は俺から計画を説明しよう。『吟遊屍人』の発生の仕方はさっきの説明で聞いていたね?」

「はい、志半ばで倒れた吟遊詩人が自我を残したまま不死者(アンデッド)と化した、というものでしょう?」

「そう!そこだよ!イレルフくん!彼らは自我を残している、つまり、元の魂が残っているかもしれないんだよ!だから、もしかしたら、ほんのちょっぴりの確率だけど、蘇生ができるかもしれない!」


「そ、蘇生!?ただでさえそれは御伽噺のようなものであるのに、それを不死者アンデッドに使うと言うのですか!?」


 なるほど、未練を残した吟遊詩人を生き返らせてやりたいってことなんだろう。反応的に、死者蘇生なんてありはするけど神の御業!って感じだから怪しいけど。にしても…


「なんとなくやりたいことはわかりました。でも、どうして見ず知らずの他人の為にそんなことができるのです?」


 一泊おいてフレールさんが言う。


「実はな、本当は何もそいつを助けたいってわけじゃないんだ。もちろん、助かってくれたら嬉しいけどな?俺達の真の目的は他にあるんだよ。」

「リーダー、言ってもいいのか?」

「ああ、いいさ。この人たちなら、受けてくれて、成し遂げてくれるような気がするんだ。実はな」




「俺達の元パーティーメンバーが、魂だけで暴走してるんだ。」







 〜〜〜〜〜〜







 時は流れ数時間後、準備を終えた僕達は草原に来ていた。時刻は夜です!

 結論から言おう。依頼を受けました。そして、その達成のためには僕のスキルがほぼ間違いなく必要だ。故に、ある程度信頼できると思い、『紅蓮』の皆さんにスキルのことを話した。出自は伏せたけどね。

 なので、今の僕はイケメンロボットです。ヒュウっ!ガシャガシャするね!


 そうこうしていると、イレルフと共に偵察に出ていたホーリィが降りてきた。


「キュイッ!(小声)」

「皆さん、どうやら不死者アンデッドが不自然なほど一箇所に集まっているようです。腐人(ゾンビ)骨人スケルトン死霊(ゴースト)食屍鬼グールまでもが確認できました。」

(そんなのよくわかったね、イレルフ。)

(はい。実は、ご主人が部屋で絵を描いている頃、我は図書館に立ち寄ったり、ドーガ殿に話を聞いたりして知識を得ていたのです。)

(そりゃすごいねぇ。)


 イレルフも頑張ってたんだねぇ。なんで字が読めるんだろう?やっぱ『言語理解』持ちの僕が生み出したからなのかな。


「なるほど、間違いなく吟遊屍人がいるだろう。皆、準備は良いかい?」

「「「「「「おうッ!」」」」」」「キュイッ!」

「吟遊屍人は自分の周りに円を描くように不死者(アンデッド)を集めると言う。な・の・で、俺等が端から削っていき、道を作り、アーティがスキルでどうにかする!作戦通り行こう!」

「じゃあホーリィ、あの集団の端っこの方に『ホーリーレイ』だ!」

「キュゥゥゥイ!」


 よぉし僕も!ガシャッとな。聖属性の魔力砲だ!


「開戦の狼煙だぜぇ!」


 シュンッ!っと光の束が蠢く骨や腐肉たちの周囲に音も無く降り注ぐ。


「「!?!?!?!?!?!?」」


 おうおうパニクってんねぇ!


「よっしゃ行くぜ!テーミン、イレルフとアーティ?は俺と前!ヤマッコは後ろで援護だ!チャシュとデリッシュは一応ヤマッコの援護だ!ポーション用意しいてよ!」

「「「了解!!」」」


 流石チームを纏めるリーダー、カックいぃ!


 あんまり距離は離れていなかったので、結構すぐに群れが目の前…ヒィッ!わかってはいたけど本物の骸骨と腐った死体!怖い!

 落ち着け、こいつらは二人がどうにかしてくれるから、どう対処するかを思い出すんだ!


「おぁぁ!」

 ガシュッ!ガラガラガラ…。


 その一!『念話』でコンタクトを取る!理由は後述。


「キェアぁぁぁ!」※イレルフ

 グシャッ!ザリッ!


 その二!『ルッキング・チェンジ』を使う!これなら、種族が根底から変わるからもしかしたら呪いが発動しなくなるかもしれないし、そうじゃなくても、不死者(アンデッド)属性が無くなって『聖属性魔法』による治療ができるだろうからね。で、その一の理由なのだが、生き物…というか何らかの意思を持つ者に対してのこのスキルの使用は、相互の同意、もしくは意識薄弱のよわよわ状態じゃないと効かないらしい。さっきこっそりイレルフに試してみて注意書きがパって出てきたから知ってるのです。


 現実逃避終わり!じゃあ、さっさと周りのやつどうにかして救出作戦といきましょう!


「イレルフ!『念話』は!?」


「先程から試していますが、やはり阻まれ届きません!」


「じゃあもっと減らすしかないようだねぇ!ヤマッコ!俺の剣に火を!」


「―――!」


 声は聞こえなかったけど、フレールさんの剣に炎が纏わる。『火炎剣』を発動させたらしい。かっこいい!やってみたい!じゃあ僕も…


「火炎放射を喰らえい!」


 遠くからじゃ届かなかったが故に使わなかった『魔力砲』火属性バージョンのお披露目じゃい!わざわざ炎にしたってことならこれが効きやすいってこっちゃ!


 上からは大量の炎が降り注ぎ、僕ら四人が近接で倒す!うんうんいいね!異世界バトルだねえ!


「ご主人!繋がりました!『お願い、助けて!』だそうです!」


「見えた!あの楽器を持った、骨人スケルトン死霊(ゴースト)を混ぜたみたいなのが『吟遊屍人』だ!やったれアーティ!」


「了解!成功してくれよ…!『ルッキング・チェンジ:シャッラール』!」


 刹那、吟遊屍人の姿が光に包まれる。どうやら第一段階は成功らしい。


 そして、その光が収まると、イケメンエルフ…ではなく、似た感じの、楽器を持った美少女エルフが居た…え?


「あれ?私は、一体…!?不死者(アンデッド)!?」


 やっべ、狙われちゃってる!

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