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第二十七話 二番目の街へ

 なんか1200くらいPV行ってますね、見てくれている人がどれくらいいることやら…。

 とにかく、励みになります!

「依頼料の事だが、これでどうだろうか。」


 そう言って領主様がドンッと置いたのは、何やら重そうな袋である。


「この袋には金貨が300枚入っている。足りるか?」

「え!300!?」


 300まんえん…ってこと!?一枚の絵で!?


「なんだ、足りなかったか?それともこの小さな袋の中にそんなに入るのか疑問か?」

「い、いえ!とんでもございません!余りにも多かったので驚いたのです。」

「そうか?有能な絵師に払う料金としては正当だと思うのだがな。では、こうしよう。街を救ってくれたことに対する、私個人の礼を加えた、というのならどうだ?」

「あ、それならしっくりくる気がします。」

「ではそうしよう。改めて、素晴らしい絵を描いてくれたこと、我らが街を脅威から救ってくれたこと。共に礼を言おう。ありがとう、アーティ。そしてその眷属よ。」

「我はほぼ何もしていませんよ、ホーリィが物凄いのです。」

「ありがたきお言葉!」

「ど、どうしたアーティよ!急にかしこまって。」

「フフッ、一度言ってみたかったんです。でも、本当に嬉しいですよ。」

「そうか、そなたは随分と愉快な御人のようだ。」


 そう言って、アラル様は本当に愉快そうに笑ったのだった。






 ーーーーーーーーーーー






「そうか、もうすぐこの街を出るのか。」

「はい。アレーファはとっても良い街で、ずっと居たいと思えるほどなのですが、ご存知の通り、私はこの街しか知らないので、この世界各地を見て回りたいのです。」


 あの後、絵を召し使いの皆さんに見てもらったり、それでめっちゃ褒められてもみくちゃにされたり、イレルフが狼状態への変身を強請られまたもやもみくちゃにされたりして、今、次の街に行きたいとの旨を話している。

 そう!次の街に行くのだ!夢の思い描いた通りの冒険者人生が始まるのだ!


「えー、もう行っちゃうのぉ?まだ会って一日も経ってないのに!」

「お嬢様、そんな事を行ってアーティ様を困らせてはなりませんよ。しかし、こんなに早くに去られてしまうとは、寂しいものですね…。」

「すみません、でも、この世界に在るものをたくさん見たいのですよ。それに、イレルフやホーリィは生まれてからまだ数日しか経ってないですからね。もっと経験を積ませてあげたいんです。」


 あんなに強かった二人だけど、忘れてはならないのは二人ともまだ生後一月未満ということである。地球で26年の歳月を過ごした僕だけならまだしも、彼らは勿論そんな経験は無い。イレルフは僕の知識から基礎的な事を知っているそうだが、実体験は全然無いし、ホーリィは…あの様子だと、めっちゃ強くてお利口な赤ちゃんみたいなもんだろう。めっちゃ甘えてきたし。

 というか、僕も含めて、この世界で知っていることが少なすぎる。いろんな街に行き、いろんな種族のヒトに会い、多くの魔獣を見る。それを通して、この世界の常識を学んでいかなければならないんだ。


「そのようなお考えがあったのですね、素晴らしいです。是非存分に、世界を見て回っていらっしゃいませ。」

「はい、勿論です。」


「そうだな、次の街に行くというのであれば、トゥールを目指すと良い。行き方はドーガあたりに聞くのが一番だと思うぞ。そして、達者でな、また私の屋敷に顔を見せておくれよ?」

「はい!ありがとうございます!」


「私に止めることなんてできないもの、さっさと行くがいいのよ!な、泣いてなんか無いわよ!?」

「ははっ、そういうことにしておくよ。」

「なによそれっ!」


 屋敷の三人がそう僕に別れを告げる。奥様は、お花のお世話をしていらっしゃって居ません。そして僕は、こう返すのだ。


「皆さん、ありがとうございました!それと、定期的に戻ってきますのでご安心を。」

「じゃあ私の涙は何だったってのよ!」


 ハハハ、皆様苦笑いしてらっしゃらぁ。







 アレーファ屋敷にしばらくの別れを告げた後、僕はギルドや食堂のコースさんに街を出ることの報告に行った。今度はホーリィも一緒だ。案の定驚かれ、惜しんでもくれたが、冒険者はそういうものだと納得してくれた。すごく助かる。すごく助かったからコースさんに砂糖やらなんやらを三週間分くらいプレゼントしておいた。ギルド?リアルデビルレイビッグフィギュアがあるじゃないですか。


「粗方挨拶まわりは終わったね。」

「あそこまで惜しんでくれると、なんだか嬉しいような寂しいような、そんな気がしますね。」

「キュイッ!キュイイッ!」

「そうだなそうだな、じゃあ、門に向かうとしますか。」





「そうか、今から出発すんのか、寂しくなるぜ。」

「冒険者ってのは風に吹かれて旅をするもんだろう?僕もその一人なんだぜ?ドーガ。」

「勿論わかってらぁ。俺も冒険者だったからな。それと、お前さんに言い忘れてた事があった。」


 なんだろうか?おや、テーミン君が仲間になりたそうにこちらを見ている…


「テーミンを旅に連れて行ってやってはくれねえか?というか連れて行ってやってくれ。」

「アーティさん、何卒、よろしくお願いします!」

「ええ!?それはどうして…いや、嫌ではないけども!」


「実はな、アレーファの兵士団の新人は、実践でちゃんとできるように、他のある程度腕の立つ冒険者や傭兵と一緒に街の外に行って、活動をせねばならんという決まりがあるんだ。で、それのタイミングと同行者の選別は教育係に委ねられててな、テーミンの教育係が俺な訳よ。そして、このタイミングでアーティに頼んだ。後はわかるな?」

「なるほど理解したナリ。」


 つまりは、テーミン(新人君)の実践テストを頼まれたと言うわけだ。まあドーガの事だから、この世界のことをある程度知ってる、かつ送り出すのに適切な理由のある人員を付けてくれたのだろう。助かる。


「じゃあ、よろしくね、テーミン。細かいことを手助けしてくれたら助かるよ。」

「よろしくお願いします!アーティさん!足を引っ張らないよう頑張ります!」


 元気があってよろしいよろしい。弟分が出来たような感じがしますね。


「しっかり務めを果たすんだぜテーミン。そしてアーティ御一行!騙されずにまた元気に此処に帰ってこいよ!トゥールはここから真っ直ぐだ。迷うんじゃねえぞ!」

「はい!ドーガさん、行ってきます!」

「ドーガも僕が帰ってくる街をしっかり守ってくだせーよ。じゃあ、行ってくるね!」

「お二人の身の安全は我らにお任せください。必ずや生きて帰って来ますよ!」

「キュイッ!」


 各々でドーガに別れを告げ、僕達はアレーファの街を後にする。目指すは次の街、トゥールだ。


 僕達の門出を祝福するかのように、爽やかな風が門を吹き抜けていった

これで一章は区切りとなります。次から二章です。

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